§11 ヴォバン戦、あとしまつ
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。護堂(及び周囲の女性陣)と親しい(と思われている)黎斗に噂の真偽を確かめる役だ回ってくるのは、ある種当然といえよう。もっともクラス男子の八割はこの噂は真実だと認識しているのだが。かくいう黎斗もその一人だ。正直確かめる意味があったのだろうか疑わしい。
「なんで僕がこんなこと…… 妹萌えの伝道師辺りが適任でしょーが……」
こっそり呟きながら状況を観察する。怒れる彼女の向かいに三人。護堂が中央、右にエリカ左に祐理が座っている形だ。ちなみに黎斗はエリカと静花の間だったりする。
「……まぁ、静花ちゃんがキレるのもわかるよ、うん」
ここまで自然にいちゃつかれると黎斗としては噛み付くのも馬鹿らしく感じるが。噛み付いたら負けな気がしてしまう。護堂によりそった祐理がさりげなくお茶を注ぐ様など見ていて虚しくなってくるので少し前に視界から外した。他所でいちゃつけと言いたいがここは妹さんに任せよう。
「だいたい何よその王様ポジション!!」
鋭い、正解です。彼は王様ですよ。泣く子も黙る魔王サマだけど。
そう答えたくなったが必死に我慢。答えたところで静花からは頭の可哀想な人扱いされ三人に事情を説明せねばならなくなるだけなのだから労力の無駄というものだ。黎斗を取り巻く状況も悪化するし。
そんなことを思い耳を澄ましながら弁当を突っついていると祐理が真っ赤になって静花に反論を始めたではないか。
「に、新妻???私が護堂さんの!?」
結局ツッコミはそこかよ。
どうやら本当に祐理も護堂のハーレム入りか。あの男の一件で仲が深まったのかと勝手に予想を立てる黎斗。新妻に反応する辺り彼女も自覚があるのではないだろうか。
「なんか僕ギャルゲの親友ポジだよなぁ……」
もしそうだとしたら散々道化をやるギャグキャラ要員ではないか。そこはまだ良しよしても杜撰な対応をされるのはイヤだ。
「泣きゲーとかだったら親友ポジは中々良かったりするんだけど……」
黎斗がぼんやりとくだらない考えをしている間も、ずっと護堂達のランチタイムは華やかで賑やかだった。珍しくエリカが静かにしていたのが気になるが、放っておいて十分だろう。何か考えているのだろうけどどうせ護堂が巻き込まれるだけだ。こっちには関係ないだろう。
そう思った日の夜。
「助けてくれ!!」
やかましくなる携帯電話。出た第一声が、コレ。
「……護堂、こんな夜にどうしたよ」
眠っている最中にたたき起こされた黎斗は、薬草図鑑に熱中している恵那とエルを横目にそう答えた。どうせ昼間予想したようにエリカが何か仕掛けてきたのだろう。
「エリカの奴が俺を婚前旅行に連れて行こうと画策しているんだ!! じいちゃんも味方につけ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ