§11 ヴォバン戦、あとしまつ
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「まさか護堂がこの件に関係してるんじゃなかろうな……」
「何を馬鹿なこと言ってるんですか、と言い切れないのがまた……」
普段なら一笑に付す発言だ。だが巫女という立場にいながら力を必要とするのだ。まず無いであろうそんな事態(黎斗にとっての巫女は神社で箒を掃いているイメージしかない)ならば神殺しが関連している可能性が非常に高い、というかそれ以外に彼の貧困な脳では考えられない。祐理も確か巫女だったはず。彼女に聞いてみるか。
「でもリスク高いよなぁ……」
ヤダヤダ、と愚痴りながら煎餅をもしゃもしゃ食べる。
「恵那さんと一緒なのがバレたら絶対面倒なことになりますよ。ただでさえエリカさん達に目をつけられているのに」
「ですよねー」
祐理に話せばおそらくエリカにも伝わる。そうしたらバレるのは時間の問題だ。巫女&妖狐を連れている一般人で通すにはエリカという相手は強すぎる。
「ホントどうしたもんかねぇ……」
「いっそほったらかしては? 過保護になりすぎると愛娘から嫌われますよ?」
「結婚もしてないのに娘がいるか!」
反論しつつエルの言葉に頭を冷やし考え直す。ここは恵那の好きに任せるべきか。いくら狡猾な須佐之男命でも自らの身内(しかもすごく自分に懐いている相手)を使って権謀術数の類をする程ひどくはないはずだ、きっと。今回の敗北を須佐之男命に知られ笑われたので修行に目覚めたとかそんなオチなのだろう。疑ってしまったことに若干の後ろめたさを感じつつ黎斗はベランダより部屋に戻り茶碗を洗う。静かな台所に水の流れる音が響き、エルが欠伸をひとつした。
「……ねぇ、帰っていい? どう考えても僕場違いだよね? もしかして僕も護堂の攻略対象なの? ねぇ? 僕ソッチの趣味はないんだけど」
よく日の学園で溜息とともに護堂に尋ねる。半分は冗談だ。
「お兄ちゃんソレ本当!? だらしないにも程があるんじゃない!?」
真に受けた静花が取り乱す。
「あら、護堂、今まで私達に素直になってくれなかったのは男色の気もあることを言い出せなかったからなのね。そういうのでも理解あるから心配いらないわよ?」
これはおもしろそうだと、エリカが悪魔の笑みを浮かべて参戦する。
「草薙さん!? ふ……不潔ですっ!!」
顔を真っ赤にしながら叫ぶ祐理。
「俺だってねぇよ!! なんでそんな話になるんだよ!! エリカも煽らないでくれ!!」
屋上での昼食は護堂の絶叫で始まった。護堂にとって既に黎斗も一緒に昼食をとる相手の一人になっているのだが、黎斗からすれば護堂を中心としたハーレムの中に迷い込んだようで居心地が悪い。
草薙静花はブラコンである。今クラスの男子の間で囁かれる噂だ
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