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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第75話 平原での戦い
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ターの黒幕どもが既に活動を始めていたか……しかも再びゴスペルを持ち出してきたとはのう」
「空間投影装置が生み出した映像を遠く離れた座標に転送する……そんな事どうやったら可能なんだろう?」
「空間投影装置そのものは決して不可能ではないはずじゃ。ワシもいずれは作ってみようと思っておったからな」


 二人は前にゴスペルが見せた力の解析を始めた。というか博士は兎も角ティータも難しい言葉ばかりで理解が追い付かないな……


「そういえば前にクーデターで使われていたゴスペルの事についてはちったぁ分かったのか?」
「むう、それがな……」


 アガットさんは前にクーデターで使われていたゴスペルの事を博士に聞くが彼は渋い表情を浮かべた。


「解析を進めれば進めるほど奇妙な事が分かってきてな……」
「奇妙な事?」
「うむ、結論から言うとなあのゴスペル自体に導力停止現象を起こすような力があるとは思えなくなってきたんじゃ」


 博士が言うにはゴスペル自体には導力停止現象を引き起こす力があるとは思えないらしい。


「でも実際ゴスペルが起動したら導力は使えなくなりましたよ?」
「うむ、表面的にはそう見えるな。じゃが先ほど言ったように内部の結晶回路を解析してもそんな現象を起こすとは思えんのじゃ。導力場の歪みのような物を発生させるのは確かなんじゃが……」


 導力場の歪み……?また分からない単語が出てきたな。


「導力場の歪みというのは導力エネルギーの周囲に形成される干渉フィールドのことを言います。大抵は一定の法則で力線が描かれるんですけど……どうもゴスペルが生み出す導力場はこの法則から外れているらしくて……」


 ティータが説明してくれるが話が専門的過ぎてついていけなくなってきたな……頭のよさそうなクローゼさんやオリビエさんも顔をしかめている。


「ありていに言うと既存の法則にあてはまらない歪んだ導力場を発生させるんじゃ。じゃが導力場というのはあくまでも一定の時空間における導力エネルギーに在り方にすぎん、方向性が与えられない限り導力停止現象のような具体的な作用が起こるはずがない」


 つまりゴスペルの結晶回路では導力停止現象のような作用は起きないって事か……自分で言っていて訳が分からなくなってきた。フィーがいたらもう寝てしまっていそうだ。


「じゃがお前さん達が話してくれた新型のゴスペルの話を聞いて新たな可能性が開けたかもしれん。知らせてくれて礼を言うぞ」
「あはは、どこがどう役に立ったのかいまいちピンとこないけど……」


 ラッセル博士はあれだけの情報で新たな考えに至ったらしい。それについてお礼を言われたがエステルの言う通り何が役立ったのか分からないな。


 俺達
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