暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第141話:颯人vs終末の四騎士
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かれたら文字通りガリィには手も足も出なくなる。
 またしても訪れるガリィの詰み。だがこの状況でもガリィは不敵な笑みを崩さなかった。

「ふ、ふんッ! それでも人間相手にしてる感覚が抜けてないみたいじゃない?」
「あ?」
「あら忘れたの? あたし達はオートスコアラー……人間じゃねえんだよ!!」

 突然ウィザードの頭に衝撃が走った。それはあり得ない関節の動きにより放たれたガリィの蹴りである。本来であれば抵抗など出来よう筈も無い状況で、ガリィは人形の体を最大限に駆使して抵抗してみせたのだ。

「がっ?!」

 脳を揺らされ、ウィザードの拘束が緩む。その隙にガリィは脱出し、関節技を決めてくれたお礼にとウィザードの腹を蹴り飛ばそうとした。
 しかしウィザードのリキッド魔法はまだ活きている。脳を揺らされ朦朧としそうになる意識の中、彼はガリィの蹴りを液状化で無力化しそのまま一旦距離を取った。

「ぐぅ、いっつぅ……そうだったな、お前ら人間じゃねえんだ。関節技は意味なかったな」
「そう言う事よ、お馬鹿さん♪」
「なら、コイツでどうだ?」
〈チョーイイネ! ブリザード、サイコー!〉

 ガリィ達オートスコアラーは痛覚など感じないし、普通に関節技を極めても意味は無い。だったら手足も纏めて砕いてしまえと、ウィザードはブリザードの魔法でガリィを凍結させようとした。分身を使う暇も与えず、吹雪でガリィをカチコチに凍らせて砕くつもりだ。

「チィッ!?」

 ウィザードの狙いを呼んだガリィは、眼前に障壁を張りやり過ごそうとした。だが極寒の吹雪は障壁程度で防げるものではなく、それどころか障壁諸共に凍らされそうになった。

 数秒ほどたっぷり吹雪をお見舞いしたウィザードは、そろそろ十分かと吹雪を止めた。後には氷漬けになった街の一画と、その中でポツンと立つガリィが張った障壁だったものが見える。

 今なら銃弾一発で砕ける。そう思ったウィザードが銃口を向けた瞬間、障壁が勝手に砕けるとその先に氷塊が姿を現した。

「ん?」

 ガリィ1体が凍ったにしてはおかしな大きさの氷塊にウィザードが違和感を感じていると、氷塊に罅が入り内側から砕け散った。そしてそこからは、薄々想像していたがガリィが姿を現す。

「チッ、やってくれるじゃない魔法使い……!」
「そりゃこっちのセリフだ。自分を態と氷漬けにして防ぐとか正気かお前?」

 ウィザードのブリザード魔法に対するガリィの対処法は実に単純なものだった。相手が自分を氷漬けにしようとしてくるなら、それより先に自分を氷漬けにしてしまえというものである。既に凍っていればブリザードも意味が無い。しかもガリィはオートスコアラーなので、人間と違い体温の低下や呼吸の問題を考える必要も無かった。

 
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