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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
謎の闘争
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完成していたようですね。

『おい』

 感情の無い声がISの開放回線で飛んできました。と言ってもその声は明らかに一夏さんだけに向けられています。
 そしてこちらを見ているその目は、明らかに相手を見下すような目つき。

「……なんだよ」

 一夏さんも転校初日に叩かれたことを思い出しているのでしょう。顔が一瞬で厳しくなると共に空気が一気に張り詰めたのが分かります。

『貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話が早い。私と戦え』

「却下だ。理由がない」

 それこそまさに一触即発……この空気は苦手ですよ本当に……
 いざという時のために左手に『オーガスタス』をいつでも展開できるように準備しておきましょう。

『貴様にはなくても、私にはある』

「また今度な」

『ふん……ならば戦わざるを得ないようにしてやる』

 言うが速いか、ボーデヴィッヒさんはその漆黒のISを戦闘状態へシフトさせ、

 ―警告、正面IS攻撃態勢に移行を確認! 警告!―

『ああもう!』

 刹那、左肩に装備された大型の実弾砲が火を噴きました!
 こんな密集地でそんなもの撃つなんて!

 準備しておいた『オーガスタス』を展開しつつ、一夏さんを庇うように前に出て来るべき衝撃に備える。


 ゴガギンッ!

「あれ?」

 受け止めた音はするのに衝撃が来ません。疑問に思って盾を下げると、そこには私のさらに前で盾を展開して砲撃を受け止めたデュノアさんがいました。

「……こんな密集空間でいきなり戦闘を始めようなんて、ドイツの人は随分と沸点が低いんだね? それとも考えることが苦手なのかな?」

「貴様………ッ」

 そういうと同時にデュノアさんは右手に六一口径アサラトカノン『ガルム』を展開してボーデヴィッヒさんに向ける。

「フランスの第二世代型(アンティーク)ごときで私の前に立ちふさがるとはな」

「未だに量産化の目処が立たない金食い虫のドイツの第三世代型(ルーキー)よりかは動けると思うよ」

 あう、耳が痛いです。オーストラリアも未だに実験段階で量産の目処は立っていませんからね……
 しかし……今デュノアさん、ものすごい武装の展開が速かったですね。ほぼ一瞬で武装を展開、照準までつけています。なるほど、だからあれだけの武装をつけていても問題なく使えるんですね。

 互いに涼しい顔をした睨み合いが続き……

 しかし、その睨み合いも長くは続きませんでした。

『そこの生徒、何をしている! 学年とクラス、出席番号を言え!』

 アリーナのスピーカーから声が響きました。どうやら騒ぎを聞きつけた担当の先生のようです。

「ふん………」

 二度の横槍にやる気がなくなったのでしょう
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