謎の闘争
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グリニデ』を構えて正面のターゲットに狙いをつけます。
ドゴンッ!
「うお!」
一夏さんがトリガーを引くと同時に発射音と発砲煙が発生。反動が予想以上に大きかったせいか『グリニデ』を構えた右手は跳ね上がっていて発射されたグレネードはあらぬ方向へ飛んでいき爆発しました。
その近くにいた人たちが悲鳴を上げて回避しています。
大丈夫でしょうか? まあ皆さんIS装備してますし大丈夫と思います。
「どうだった一夏?」
「お、おう。銃弾と違って弾が遅い感じがする」
「その通りです。グレネードなどは弾丸と違って中に火薬が入っていたり質量が違っていたりするので、どうあっても普通の銃弾より速度は遅くなりがちなんです」
「なるほど」
「もう少し撃ってみますか?」
「お、いいのか?」
「『グリニデ』ではありませんけどグレネードなら『ミューレイ』がありますから。反動はこっちの方が大きいですけど」
一夏さんから差し出された『グリニデ』を量子化して6連発回転式グレネード『ミューレイ』を展開。それも使用許可を出して手渡します。
「そういえばすごいミスショットしましたけど銃器管制のセンサー・リンクはやってないんですか?」
「ああ、シャルルにも言われたよそれ」
「そうなんですか?」
「うん、一夏の『白式』は本当に格闘オンリーみたいでね。目測でやるしかないみたいなんだ。反動制御も全部手動でやるしかないみたい」
「なるほど」
納得です。そもそも後付武装(イコライザ)がないんですから射撃なんて想定してないのですね。それだったらあるだけ邪魔と、そういうことでしょう。
そう考えながら『ミューレイ』を手渡します。『グリニデ』は一々グレネード弾を装填しなおさなければ行けない分『ミューレイ』より厄介なんですよね。その分威力は高いですけど……
そんなことを考えているとアリーナの入り口辺りが騒がしくなるのが聞こえてきました。
「ねぇ、ちょっとアレ……」
「ウソ、ドイツの第三世代型だ!」
「まだ本国でのトライアル段階だって聞いてたけど………」
アリーナの人垣が割れて件のもう一人の転校生、ボーデヴィッヒさんが現れました。人が多いのでモーセの十戒みたいですね。
ボーデヴィッヒさんが纏っているのは殆どが黒のIS。本人の銀髪が非常に目立つこともあってその黒が映えます。
左肩には大型の砲身がついていてかなり威圧的ですね。
―データ照合、ドイツ第三世代試作IS『シュヴァルツェア・レーゲン』と確認―
展開している私の『デザート・ホーク・カスタム』が素早く情報を確認してくれました。学園に入る前に確認したときはトライアル段階と聞きましたがどうやらこの人のは
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