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レーヴァティン
第二百七十七話 神殿に入りその八

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「危険を取り除きだ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「先に進むぞ」
 こう話してだった。
 英雄はまずは深き者共を倒してだった、彼等は足を踏み入れなかった場所を中心に調べてそのうえでだった。
 罠のある場所を見つけ出しその罠を解除してだった。
 先に進んでいった、門を潜るとそこにはだった。
 大理石の古代ギリシアのそれを思わせる神殿だった、外もそうであったが内部もそうでありそこにもだった。
 深き者共がいた、その彼等を見て正は言った。
「やはりそう簡単にはです」
「先に進ませるつもりはないですね」
 謙二が応えた。
「敵は多く罠もです」
「これではです」
「容易にはです」
「先に進めないですね」
「ですがそれはわかりきったこと」
「それなら」
 そうであるならというのだ。
「ここはです」
「慎重に進んでいきましょう」
「神殿の中も」
「外でそうした様に」
「それだよな、しかもあからさまにな」
 神殿の中を見回してだ、久志は話した。
「神殿の柱の物陰なんてな」
「伏兵ですね」
「それを置けますね」
「ああ、だからな」 
 このことが容易に想像出来るからだというのだ。
「本当に一歩一歩っていう感じでもな」
「慎重にですね」
「先に進むことですね」
「ああ」
 順一と謙二に話した。
「ここはな」
「それしかないですね」
「勝つ為には」
「では」
「この度は」
「そうしてでもな」
 こうも言うのだった。
「先に進もうな」
「はい、それでは」
「そうしていきましょう」
「是非な」
 こう話してだった。
 文字通り石橋を叩いて渡る慎重さで進んでいってだった。
 敵を倒し罠を解除していった、敵からダメージを受ける者はいたが罠に引っ掛かる者は一人もいなかった。
 それでだ、淳二は罠を一つ解除してから隣で別の罠を解除した耕平に対して気さくに笑って話した。
「流石にね」
「罠にはな」
「おいら達も色々経験があるし」
「連れて来た連中もな」
「精鋭ばかりだからね」
「迂闊にな」
 耕平も話した。
「罠にかかることはな」
「ないね」
「そやな、ええことや」
「罠にかかる様な、な」 
 久志は二人に笑って話した、今自分達がいる玄室はもう敵を全て倒し今しがた二人が最後の罠達を外したところだ。
「そうした甘い奴はな」
「流石に強くなるとね」
「その甘さが消えるさかいな」
「ああ、経験を積むとな」
 久志はその経験の話もした。
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