第七十三話 【カンピオーネ編】
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
使した超常の力だった。
「ちょっ、ちょっとっ!こんな街中でなんて事をしているのよっ!」
神は神ゆえに人間の都合などは考えない。
「なに、人払いは済んである」
そう言えばまだ夕暮れ時だというのに人の気配が無い。
「抵抗するのなら全力でかかってくるがよいぞ。蝶の羽をもぐようにかわいがってやろうよな」
実力行使に出たアテナにユカリも覚悟を決めた。
「……すさまじいオーラね。戦えばきっと10回に8回は負けそうだわ」
アテナを見れば何処からとも無くフクロウが次から次へと現れる所だった。
「そなたの言を聞くに残りの2回は勝てると言っていようよな。神を前にして不遜なことよ」
「ええ、そうよ。私の息子なら8回は勝てるでしょうね」
8回は勝てると言われたアオだが、実際に神と戦えといわれれば、おそらくその勝率は極端に低くなるだろうと言わざるを得ない。
それほどまでに神と人とは隔絶しているのである。
とは言え、『必殺の一撃は初撃で』をモットーにしているアオなら、油断している神ならば確かにそのくらいの勝率にもなるかもしれないが…
「そなたに息子がおるのか?」
「その問いにはまだいないと答えるわ。でも生まれる私の子は最強よ?」
「未来を見たような事を…面白き事を言う人間よな」
「だけど、あなたから逃げ切るだけならば多分10回中9回は逃げ切れるわ」
「ほぉ…ならば試してみるが良い」
「ええ」
戦っても勝てる見込みが低いと見るやユカリは逃げに転じる。
予備動作も無くユカリの足元に一瞬魔法陣が展開されたと思った次の瞬間、ユカリの姿は消えていた。
突撃の合図を待つフクロウは所在なく鳴き声をあげる。
「これは……」
コツコツと今までユカリが居た場所まで歩を進めるアテナ。
「気配が完全に消えている。…智慧の女神たる妾をしても分からぬとは…ふふふっ…やってくれる」
完全に逃げ切られた事を悟ってアテナは闇とフクロウを消し去った。
「まずはゴルゴネイオンを探し、しかる後に彼女には再戦を叩きつける他はない」
そう決意したアテナはそう言えばと気がついた。
「名を聞いてなかったか。妾がただの人間に興味を持つなど、いかほどぶりだろうか」
まあいい。
「すぐに妾は三位一体の女神となり汝の前に現れよう」
誰も聞いている者の居ないそれはアテナの再戦への宣戦布告だった。
さて、アテナの前から忽然と姿を消したユカリが今何処に居るかと言えば…実は一歩も動いていなかったりもする。
「ありがとう、レーヴェ」
『問題ありません』
ユカリが感謝の意を言葉に出すと、彼女の胸元から返事が返ってきた。
外装は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ