第七十三話 【カンピオーネ編】
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りに蛇のような形をしたオーラがとぐろを巻くかのように絡み付いている。
それは禍々しく強烈でおそらく何かの念具で有ろうと推察したユカリは、どうするべきかと一瞬考えたが、接点も無いと不干渉を決める。
しかし、主人公不在でも騒動は付いて回り、この後ユカリは神と遭遇することになる。
その日の帰り道、何かに惹きつけられるかのように見上げた先に人影のような物が見える。
距離はおよそ300メートルくらいであろうか。
何だ?とユカリは思案し、『凝』を使い視力を強化すると、ビルの屋上の縁に猫のような耳のついたフードをかぶった銀髪の少女が重力など感じないかのように不自然に立っていた。
その異様さに彼女は只者では無いと感じた瞬間、その少女はこちらに視線をよこした。
視線が交差する。
ゾクっ
ヤバイっ!と思った次の瞬間には少女は体重すら感じないような軽やかさでビルを蹴り、こちらへと跳躍し、音も無くユカリの眼前に着地する。
「いま妾を見ていたのはそなたよな。人の身で神である妾を認識するとは、そなたは魔術師かはたまた魔女か」
神と、目の前の少女は言っただろうか。
かろやかなソプラノの美声で歌うように発せられた言葉。その言葉に念が込められている事を感じユカリはすぐさまオーラを纏い受け流した。
彼女から発せられるオーラは強烈で、気を抜けば一瞬のうちに飲み込まれてしまうような錯覚すら覚える。
「あなたは何?」
これほどの強烈なオーラを発する存在を人のカテゴリーに当てはめて良いのか。
そんな直感によって出された言葉が「何」だった。
「おかしな事を聞く。そなたは魔術師か魔女の類であろう。ならば妾の事を知っているは道理よな?」
質問を質問でかえされた。
「残念だけど、私は魔術師でも魔女でも無いわ。だからあなたの事を知らないの」
ユカリの言葉に少女はほんの少し怪訝そうな表情を浮かべた後に言う。
「そうか…ならば名乗ろう。妾はアテナの名を所有する神である」
アテナと名乗った少女。その言葉に一瞬考え込むユカリ。
アテナ。
ギリシャ神話の軍神であり勝利の女神である。
そんな事は特にその道に詳しくないユカリでも知っている名前であった。
「まさか本当に神様だというの?」
「そう申しておるよな」
彼女の声には当たり前だと言う感じの声色が混じっていた。
「さて人の子よ。神である妾が問う。おぬしは《蛇》が何処にあるか知っているか?」
「へび…」
とユカリは口に出し思案し、そして思い至ってしまった。
「ほう、知っておるのか」
彼女の言葉から発生するプレッシャーが増大する。
彼女の言う《蛇
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