暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
フェアリー・ダンス編
新世界編
時は満ちて、
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俺だが、爺さんの稽古のお陰でそこは改善している。

飛び込んできた小さな影―ー沙良に重力と体重を乗せた掌底を叩き込もうとするが、沙良はみすみすそんな攻撃は食らわない。

だが、


「なっ……!?」


沙良が驚きのあまり、声をあげる。

掌底だと思われたそれはただそこを軸に繰り出される超低空のローキックの前仕度。脇腹に強烈な打撃を食らった沙良は大きく吹っ飛んだ。

キュッ、と音をたてて体勢を立て直した俺の眼前3p先には蓮兄の拳があった。回避は間に合わない―――


ドゴォッ。


蓮の突きが顔面にクリーンヒットした。この当たりなら、勝敗を決するには十分だった、が、蓮の顔は信じられないものを見たようにひきつっている。


「……ついにやりやがったな。流石は俺の義弟……」

「いや、それ関係無くね?」


平然と答える螢。その構えは彼らの祖父のそれに似ていた。

防御術において歴代最堅固と称される水城冬馬最強の物理防御術。


『水城流対物理防御術・亜式、不動金剛』。


「で、俺の勝ちでいいわけね?」

「おう。2人がかりでこれか。いやはや全く恐ろしい奴だな。手加減してると……」

「何を仰いますか、蓮兄様。顔が本気でしたよ」

「ぐっ……」

「あー、カッコ悪」

「ぐぬ……それより螢、そろそろ時間だぜ」


時刻は2時45分。今日からALOで仲間になった、セイン、アルセ、ヴィレッタと共にアルンへ向かう。

完全スキル制のALO(特に魔法)に馴れるために俺は皆に協力してもらって万全の状態にした。もちろん飛行や空中戦闘(エアレイド)もお手のものだ。


「そうだな。そろそろ行くか」

「ではお兄様、手筈通りに」


さらに、俺と沙良はALO内と現実で試行錯誤を繰り返し、《セラ》と《リーファ》がいる位置に《キリト》が出現する方法を編み出した。後はなるようになる。


「さあ、行くぞ」

「はい!」

「頑張りや〜」





新世界編 完

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