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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第49話:なのは、動く
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った。

「ごめんね,いきなりこんなこと言って。でも,どうしても
 言いたくなっちゃったんだ。じゃ,もう遅いし帰ろっか」

なのははそういうと俺に背を向けて,歩き出した。
俺は,ベンチから立ち上がると,なのはを後ろから抱きしめた。

「ずるいぞ。自分だけ言いたいこと言って」

「ゲオルグくん?」

「ありがと。なのはの言ってくれたこと嬉しかった。
 でも,まだ俺は自分を許せそうにないんだ。
 だから,まだなにも約束なんてできないけど・・・」
 
俺はそこで一旦言葉を切った。
なのはは一言も発しないが,少し震えているように感じた。

「俺もなのはのことが好きだよ。友達としてとか同僚としてとかじゃなく,
 一人の女の子として,なのはのことが好きだ」

俺はそういうと,なのはを抱きしめる力を少し強くした。

「ほんとに?」

「うん」

「ありがと」

俺がなのはを離すと,なのはが振り返って抱きついてきた。

「うれしいよ,私」

「俺も」

「浮気はだめだよ」

「そんなことしないよ」

「そっか」

しばらく俺達はそうしていたが,夜風がさすがに冷たくなってきて俺は,
なのはを抱く手を離した。

「帰ろっか」

「そうだな」

俺はそう言うと,なのはの手を握って丘を降りはじめた。

「あったかいね。ゲオルグくんの手」

「そうか?」

「うん」

車に戻り,隊舎に向かって走らせている間,俺となのははずっと無言だった。
隊舎に到着して,車を降りると俺となのはは並んで寮への道を歩いた。
寮に入り,男子寮と女子寮の分かれ道で俺となのはは立ち止まった。

「じゃあまた明日ね」

「おう,また明日」

そうして俺達はいつものように別れた。


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