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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第49話:なのは、動く
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ろだけど,
 前にはやてちゃんにゲオルグくんの人事記録を見せてもらったから」
 
「そっか。ありがとな」

「ううん。大したものじゃないから」

「開けてもいいか」

「うん」

俺は丁寧に包装紙をはがして,箱を開けると銀色の羽根の形をした
飾りのついたネックレスが入っていた。

「ゲオルグくんがどんなものが好きかわかんなかったんだけど,どうかな?」

「気にいったよ。ありがと,なのは。大事にする」

「どういたしまして」

なのははそう言って笑った。

「この羽根,なのはが魔法で飛んでる時の羽根に似てるな」

「そうかな?自分じゃよくわかんないや」

「似てるよ」

俺はそう言うと,正面に見えるクラナガンの街に目をやった。
日も落ちて結構時間がたち,すっかり夜景になっていた。

「なのは,聞いてほしいことがあるんだけど」

「ん?」

「俺さ,情報部にいる時にいろいろやったんだ。
 なのはには言えないようなことをいっぱい。
 犯罪者とはいえ人を殺したこともある。この手で」

「・・・そう・・・なんだ」

なのはが息をのむ音が聞こえた気がした。

「情報部に行く前にもいろいろ失敗して,仲間を殺しちゃったこともあるし,
 いろんなものを犠牲にしてここまで来たんだ」

「うん・・・」

「だから,自分は人並みな幸せとかを望んじゃいけないと思ってるんだよ」

「ゲオルグくん?」

「それが俺の犯した罪に対する罰なんだと思ってる」

「それは違うよ。ゲオルグくん」

「なのは?」

「ゲオルグくんの言うとおりゲオルグくんはいっぱい失敗したんだと思う。
 でも,ゲオルグくんはそれを反省して,自分だけじゃなくて
 スバルたちやシンクレアくんにゲオルグくんと同じ失敗をさせないように
 一生懸命頑張ってるもん。
 犯罪者を殺しちゃったのだって,そもそも犯罪を犯す人が悪いんだから
 それはしょうがないと思うの」

「ありがと,なのは。でも俺は・・・」

その先は言えなかった。なのはが自分の唇を俺の唇に押しあてていたからだ。
なのはは唇を離すと,俺の顔を見つめた。

「私ね,ゲオルグくんのことが好き。だから,ゲオルグくんには幸せに
 なってほしい。ううん,できればいっしょに幸せになりたい」

「なのは・・・」

「さっき言ったように,私はゲオルグくんが幸せになっちゃいけない理由なんて
 全然ないと思ってるよ。でも,どうしてもゲオルグくんが自分を許せないと
 思うんだったら,私が半分ゲオルグくんの罪を背負ってあげるよ。
 1人じゃ重くても2人なら少しは軽くなるよね」

なのははベンチから立ち上がって少し歩くと俺の方を振り返
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