絵画とは心で捉えるもの!
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で否定した。何が違うのだろうか?
「人気者じゃないよ全然!」
分かってるわよ少年。
この国の誰よりも私は分かってるのよ。
「人気の無い俺の所へ何しに来やがった!?」
こんな子供相手に拗ねないでよね。
だから精神年齢が近いとか言われるのよ。
「学校の授業でね、『尊敬する人の絵を描いて送りましょう』ってのがあってね……」
「えっ? 尊敬する俺の絵を描いてきたのか?」
急に嬉しそうに反応したわ。
「尊敬してねーよ。話は最後まで聞いてよ。そういう所だぞ、ウルポンが尊敬されてないのは!」
この少年、見た目よりは賢いのかもしれない。
宰相閣下の表情が、また不機嫌になったわ。
「んで、尊敬する父ちゃんと母ちゃんの絵を描いて、時間が余ったから尊敬する王様の絵を描いたんだ! だから絵を渡して貰おうと思って持って来たんだ……はい、これ王様に渡して置いてよ」
「ふざけんな、自分で渡せ馬鹿!」
「ほんとウルポンはバカだなぁ。忙しい王様に俺みたいな子供が簡単に会えるわけないじゃんか! だからウルポンに頼んでるんでしょ」
「バカはお前だ馬鹿! 俺の方が忙しいんだ馬鹿!」
子供相手にブチ切れる精神年齢お子様な国家の重鎮。
だがパブロ少年が鞄から取り出し差し出された絵をチラッと見て、思わず「上手いな……」と呟き受け取ってしまった。
私も身を乗り出して宰相閣下が手にしたパブロ少年の絵を見る。
確かに上手いわね!
宰相閣下が描く絵の様に、そっくり同じというワケでは無いけど、8才(推定)の少年が描いたとは思えない技量だわ。
「じゃぁ渡しといてね」
「だから、俺は忙しいんだよ!」
「あははははっ『忙しい』って……ウケるぅ(笑)」
「冗談言ってるわけじゃねー!」
色んな意味で大物だわ。
「あぁもう! おい警備兵……確かディエゴとかいう名前だったな?」
「は、はい。“ディエゴ・サンティマ”一等兵です!」
よく名前を知ってるわね。記憶力は本当に凄いわ。
「今ならリュカさんも執務室に居るはずだから、このガキを連れて絵を直接渡させてやってくれ」
「よ、よろしいんですか?」
よろしいんですか、見ず知らずの子供を通して!?
「本当は良くないけど、この馬鹿が変なところに行かない様に手を離すな」
「は、はぁ……」
どうせ1時間もしない内に、報告等でリュカ様のところへ行くのだから、宰相閣下が渡せば良いのに……拗ねちゃって大人気ない。
「あははははっウルポン、何か偉そう。ウケるぅ(笑)」
「『偉そう』じゃなくて偉いんだよ!」
「あははははっ、ウケるぅ(笑)」
「ウケんな!」
ヤバい……この二人の遣り取り可愛い。ウケるぅ。
「あ、
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