やっぱり僕は歌が好き 第十三楽章「攻撃魔法の方が優しい場合もある」
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ど、コレが何なのか解ってもらえたかしら?」
「……はぁ……」「……何となく」「……大まかには」
新製品の説明を終え、一番最初にアイデアを提案した陛下と、開発に協力した魔技高校の方々以外は、歯切れの悪い返答をする。
そりゃぁそうだ!
素人にも解りやすく原理とかを説明してたけども、専門用語もあって我々が何となく漠然とフワッとした感覚で飲み込むくらいしか出来ないのだから……他人に説明せよと言われたら絶対に無理だ。
だが私なり……多分他の者も……理解した事と言えば、手に持って使用する小型の機械が絵筆で、用紙をセットする大きい置き型の機械が絵の具で、用意された大小様々な用紙がキャンバスなのだろう。
手持ちの小型機械……陛下は『カメラ』と言ったが、それで風景や人物などの景色を記憶させ、置き型の機械……陛下は『プリンター』と教えてくれたが、それで各用紙に絵を完全再現する機械らしい。
凄い機械だと思う! いやまぁ、陛下が思い付き魔技高校が具現化させたのだから、凄くないはずが無い!
私は音楽なら兎も角、絵画等の芸術品には疎い……が、全く実物と違わない絵を一瞬で描き上げてしまう機械は凄すぎる以上だろう!
陛下は既に使い方を熟知してるらしく、私達(陛下以外)を寄せる様に部屋の中央に集め、件のカメラを手に取り私達に向けて作動させた。
“ピコッ”という動作音がして、その度に陛下は私達の周囲を移動しカメラを構え動作音が聞こえる……それを数回繰り返し、カメラの中からダークブルーの魔道結晶を取り出すと、リューナ嬢へと手渡す。
リューナ嬢は魔道結晶をプリンターへセットし起動させる……
そして機械の情報に付いてるガラス板に何やら文字が表示され、その文字をタッチする……
するとそこには、この部屋の中央で肩を並べて集まっている私達の姿が映し出された!
ガラス板の下方に表示されてる“次の画像”という文字をタッチすると、別角度の私達が表示される。
これは先程陛下がカメラを使って記憶させた絵なのだろう。
記憶された画像を一通り見終わって一番最初に記憶させた正面からの画像にすると、今度は“印刷”と表示された箇所をタッチ。
程なくしてプリンターが“ブーン”と音を鳴らして動き出すと、1分もしない内にA4サイズの用紙に私達の絵が描き込まれ、プリンターから出てきた。
皆が現実と見紛う絵に殺到すると、リューナ嬢は「落ち着いて」と言ってから再度プリンターを操作する。
何事かそちらにも注意してると、プリンターからは同じ絵が何枚も排出されてきた!?
寸分違わぬ同じ絵だ!!
全員に絵が行き渡り感動で見入ってると……
「う〜ん……やっぱり紙質は向上させな
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