やっぱり僕は歌が好き 第十三楽章「攻撃魔法の方が優しい場合もある」
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だ!?」
「こうなっているよ(笑顔)」
陛下は満面の笑みでポケットから手鏡を取り出し、アホ男の顔を本人に見せてあげてる。
「な、何だこれは!?」
手鏡を見せられたアホ男の鼻は、先程の様に折れ曲がってはおらず、真っ直ぐ前方に伸びている……以前よりも!
「曲がってるのが嫌そうだったから、伸ばしてやったんだよ! ゴチャゴチャ言うんなら、また曲げてやろうか……あ゛ぁ゛?」
ドスの利いた声を出す陛下は、顔では笑っていても目が凄く怖い……でも、それがまた素敵?
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
ゴム製の鼻を引っ張った様な顔になったアホ男は、陛下の手が迫ってきたのを見て慌てふためきながら逃げ出した。
「私は社長ほど回復魔法の恐ろしい使い方をする人を見た事がありません。知り合いに馬鹿みたいな魔法力で巨大クレーターを作り上げる馬鹿女を存じておりますが、其奴のイオナズンよりも恐ろしいですわ」
そんな女が居るのか!?
「アイツも才能はあるんだけど努力をしないからなぁ……魔法も歌も」
「音痴ですもんね。よくもまぁ人前で歌えること……(失笑)」
ん? 私も知ってる女かもしれない。
「さて、邪魔が入ったけど、先程の続きを……? なに……してたっけ?」
「社長の正体をロッテンマイヤー嬢に伝えようとした所でアホ男が乱入してきました。その続きを行うのでしたら、他の馬鹿が入ってこない様に、私が扉の前で見張りますが……如何でしょう?」
「流石気が利くねぇアイリーンちゃん。ちょっと宜しく頼むよ」
眩しすぎる笑顔で陛下に頼まれ、小走りでこの部屋の外へ見張りに出る。
この部屋も、お城の音楽室同様に防音扉が二重になっている。内扉と外扉の両方を閉めてしまえば、中の音は聞こえない。
なので部屋の中では如何様な会話がなされているのか判らないが、ロッテンマイヤー嬢が如何様な反応をするのかは大体判る。
多分ロッテンマイヤー嬢は戸惑い極まるだろう。第一印象だが、ピエくらい真面目っぽそうだったから……
だがしかし、本当の戸惑いを感じるのは娘さん関係の事柄を知ってしまった時だろう。
“社長 = 陛下”という図式を知ってしまったくらいで泣き言を言うのなら、リューナ嬢とは距離を置いた方が良い。
そんな如何しようもない事を考えていると、第3自習室扉が内側から開く。
中からはピエが顔を出し、「OK!」とサムズアップで皆が落ち着いた事を教えてくれた。
私達が揃った事で、リューナ嬢が持ち込んだ新製品の説明を開始する。
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「……何となくだけ
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