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リュカ伝の外伝
やっぱり僕は歌が好き 第十二楽章「嫌味にも高級感が出る」
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都民としての知識で存じております」
それは社長(プーサン)が、色んな場所に出没するってだけでしょ。それじゃぁ本当の意味でプーサンを知っているとは言えないわ。

「知っている者は少ない方が良いと思いまして、彼女には何も言っておりません。言っておいた方が良かったでしょうか?」
「う〜ん……普段だったらそれで良いと思うけど、今年から全部の高等学校の卒業式に出る事になったから、そこで会うわけだし……そんな所でついウッカリ『プーサン』って呼ばれちゃうと困っちゃうし……う〜ん……絶世の美女は如何(どう)思う?」

「そうですね……言われてみれば社長の言う通りです。私の認識が間違っておりました」
「『絶世の美女』とは言ったけど、この場には美女揃いなんだけど、何で(リューナ)が答えるの?(笑)」
流石の血筋だわ……臆面も無く自分の事だと確信してるわ。

「はぁ? 『美女』に意見を求められたので有れば、私もこの場では誰の事を指してるのか判りかねますけども、こと『絶世の美女』と言うので有れば私以外はあり得ないと考えましたが……何か間違いでもありましたか?」
間違いは無いけども!

「良い根性している……ウルフが『父親の顔が見たい』って嫌味言うのも解る(大笑)」
「お褒めに与り光栄の極み。その“父親”のお陰でございますわ」
スカートの裾を摘まみ、恭しくお辞儀をするリューナ嬢は可愛すぎるわ。

「まぁリューナが連れてきたから口は堅いだろうし、知っておいてもらった方が……ん!?」
社長が自身の正体を明かそうと、変相(メガネ)に手をかけた時、何かに気付き“陛下”には戻らず手を止めて、この部屋の出入り口の方へ視線を向けた。

(バァン!)「ここか、卒業式の準備をしてるって部屋は?」
突如、防音扉を勢いよく開け、無遠慮に入室してくる男が……
「そこに有るのが魔技高校(魔法機械技術高等学校)が作った新製品か!?」
男は部屋の中央に存在感を発揮して置いてある装置に目を付けていた。

男の名は『トーマス・ガブリエル』……芸高校(芸術高等学校)の芸能文学科に通う3年生である。
そこそこの歌唱力と並の演技力……そして所属劇団『堕天使座』内では比較的美男子のナルシスト野郎だ。1年生だった頃に半年ほど付き合った“元彼”である……所謂“黒歴史”ってヤツだ。

当時は私もまだピュアで、リュケイロム陛下という超絶極上圧倒的美形男性(イケメン)に出会って無かった故、この程度の男にお手つきされてしまったのだ。
この男共々、消し去りたい過去である!

「何ですか貴方は、扉の張り紙を見てないんですか!? それとも……文字が読めない頭の可哀想な下等生物ですかぁ?」
流石あのクズ宰相とも渡っていける陛下のお血筋の少女だ……言い回しが絶妙である
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