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レーヴァティン
第二百七十六話 空への出陣その八
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「数万そしてだ」
「十万です」
「精々それだけの戦力でしかありません」
「総勢百万の軍勢でも」
「それだけでしかありません」
「そしてその戦力をだ」
 逐次投入されたそれをというのだ。
「各個撃破されてしまう」
「左様ですね」
「そうして敗れた者なぞ枚挙に暇がありません」
「歴史において」
「この世界の歴史でもな、だからな」
 それでというのだ。
「ここはな」
「我等はまずは守りに徹し」
「上様方が術を用いて浮島にいる軍勢をこの島に持って来る」
「そうして百万の軍勢を集結させる」
「そうしますね」
「だからこそお前達を最初にここに連れて来た」
 空船の艦隊に乗せてというのだ、見れば今島にいる兵達は誰もがレベルがかなり高い。そして装備もかなり質がいい。ミスリル銀やオリハルコンのものを装備している者もいる。
「強者の中の強者達をな」
「そうですね、ではです」
「ここは上様の言われるままに」
「まずは守りに徹し」
「橋頭保を築きます」
「その様にするのだ、ではすぐに連れて来る」
 残りの兵達をとだ、こう言ってだった。
 英雄と久志そして彼等の仲間達は即座にだった。
 移動の術で東西の浮島に赴き一万人を基準としてだった。
 その移動の術で島に連れて行った、それを幾度も繰り返し。
 一時間もしないうちに島に百万の軍勢を入れた、久志はそれを見て会心の声をあげた。
「よし、これでだな」
「戦の第一段階をだ」
「終えたな」
「百万の軍勢の集結をな」
「そうだな、しかしその間な」
「かなり攻めてくれたな」
 見ればもう深き者共が攻めてきている、彼等の術や武器でだった。
 執拗に攻めてきている、陣を敷いて守りを固めている幕府そして帝国の国家連合の軍隊に対してそうしていた。
 それを見てだ、久志は言った。
「こっちのモンフェラート公達に指揮をしてもらってな」
「俺達は軍の集結に専念したがな」
「その間苦労をかけたな」
「全くだ、しかしだ」
「その苦労をかけた分だけな」
「鬱憤を晴らしてもらおう」
「敵を倒してな」
「これより攻勢に出る」  
 英雄は高らかに告げた。
「そして俺達もだ」
「ああ、神具も術も使ってな」
「神とその軍勢との戦いだ」
 それ故にというのだ。
「最早な」
「何の遠慮もいらないな」
「全力でだ」
 まさにというのだ。
「それでだ」
「戦っていくな」
「そうしてな」 
 そのうえでというのだ。
「勝つぞ」
「そうしような」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「敵の戦力を減らしな」
「守れなくなったところでだ」
「あそこに向かう」
 深き者共に二十重三十重に守られたその先にある神殿、一見古代ギリシア風だがその柱も天井も大理石
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