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レーヴァティン
第二百七十六話 空への出陣その七

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「速やかにな」
「そうする、数があればな」
 軍のそれがというのだ。
「勝てる」
「ああ、戦は数だ」
「まずはな」
「備えも工夫もな」
「してきた、ではな」
「ああ、降りるか」
「そうするぞ」
 こう言ってだった。
 英雄も久志も自分達の軍勢をだった。
 島に降下させた、そして。
 島に真っ先に飛び降りそうしてだった。
 迫ってきた深き者共クトゥルフの兵である魚と人を合わせた様な半魚人を思わせるが禍々しさに満ちた姿と雰囲気の彼等をだった。
 仲間達と共に神具と術の力で吹き飛ばした、そのうえで。
 兵達も島に降りさせた、そうして言った。
「ではな」
「これよりですね」
「戦いますね」
「この島で」
「そうしますね」
「いいか、一人になるな」
 英雄は兵達に命じた。
「陣形を整え」
「そうしてですね」
「深き者共と戦う」
「そうしますね」
「そうだ、勝手なことはするな」
 絶対にというのだ。
「そして飴をだ」
「常に舐める」
「水の中でも息が出来る様になる飴を」
「そうするのですね」
「そうだ、それで若し深き者共に海に引き込まれてもだ」
 見れば海にも深き者共がいる、島に降りた英雄達を囲んでいる。
「多少戦える、そしてだ」
「陸に戻る」
「そうしますね」
「息が出来る間に」
「そうしますね」
「そのうえで戦え、海では出来る限り戦うな」
 兵達にこうも言った。
「海こそが奴等の場所だからな」
「敵の場所では戦わない」
「敵が有利に立てる場所では」
「そうして戦うことですね」
「絶対に」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「絶対にだ」
「海で粋が出来ても」
「陸で戦う」
「それに徹しますね」
「そして戦え、また今は守れ」
 兵達にこうも告げた。
「今から百万の軍勢をここに集めるからな」
「それまでは、ですね」
「攻勢に出ない」
「だからですね」
「今は守りに徹し」
「軍の終結を待ちますね」
「そうする、戦力の逐次投入はしない」
 英雄はこれは絶対にと言った。
「まずは集結させる」
「それが第一ですね」
「兵が集結していないうちに攻めてです」
「そこから逐次投入を行うことは」
「愚の骨頂ですね」
「兵法においてな、戦力はだ」 
 戦のそれはというのだ。
「一度に多くのものを集めてだ」
「敵に向ける」
「そうであってこそ力となります」
「百万の軍勢があろうともです」
「数万ずつ、十万ずつ投入しては」
「百万どころかだ」
 その戦力を発揮するどころかというのだ。
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