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レーヴァティン
第二百七十六話 空への出陣その六

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「道具でだ」
「回復させるわね」
「そうすればいい」
 それでというのだ。
「だからな」
「それではね」
「今はな」
 まさにというのだ。
「食おう」
「ご飯をね」
「これもまただ」
 飯を食うこともというのだ。
「大事だからな」
「戦にはね」
「だから充分以上に用意もしている」
「そうよね」
「栄養のことも考えてな」
 そのバランスのこともというのだ。
「そのうえでな」
「食べるのはバランスよく沢山」
「そうあるべきだからな」
「そうね、それで私達もね」
「食うことだ、兵達と同じものを食い」
 そうしてというのだ。
「戦うぞ」
「クトゥルフの島を出したら」
「その時こそな」
 いよいよと言ってだった。
 英雄そして久志も空船の艦隊を神託で聞いたクトゥルフが座す神殿がある島の上空に向かわせた、そして。
 数日の航行の後でだった。
 その場に着いた、この時丁度日の出であり。
 英雄は自身の乗艦である三笠の甲板に出てだ、目の前にいるユリウス=カエサルの甲板にいる久志に声をかけた。
「用意はいいな」
「ああ、何時でもな」
 久志は英雄に笑って応えた。
「出来るぜ」
「俺もだ、ではな」
「ああ、今からな」
「やろうな」
「今から剣の力を放つ」
 こう言ってだ、英雄も久志も。
 それぞれの神具である剣を抜いた、そのうえで。
 右手に持った剣を真上に掲げた、そうしてからだった。
 剣にそれぞれの力を全て込めて空に放つと念じた、すると。
 英雄の天羽々斬から風が、久志のレーヴァティンから炎が光線の様に出て天空の遥か先を撃った、すると。
 天から凄まじい全てを包み込む様な虹色の光の帯が雷の様に落ちた、光は島があるという場所を撃ち。
 そこに一つの島を浮かび上がらせた、久志は船の艦首から島を見下ろしてそのうえで英雄に対して言った。
「おい、これでな」
「はじまるな」
 英雄も乗艦の艦首にいてそこから話した。
「俺達が為すべきだ」
「運命の戦がな」
「そうなる、ではだ」
「ああ、全ての空船を降下させてな」
「あの島に入る」
「そしてな」
「戦うぞ、俺達はまずだ」
 英雄は剣もっと言えば刀を抜いたまま言った。
「自ら兵達の先頭に立って戦いだ」
「そうしてだな」
「橋頭保を築き」
 そうしてというのだ。
「その後でだ」
「移動の術を使ってな」
「それぞれの浮島から兵達をだ」
 そこに待機している彼等をというのだ。
「部隊単位でだ」
「どんどん島に運んでな」
「兵を集めるぞ」
「百万の大軍をな」
 その彼等をというのだ。
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