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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第46話:監査
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あっという間に会話ともいえない言葉のやり取りは途切れてしまった。
それから,俺達3人は無言で隊舎の廊下を歩いて行く。
部隊長室に入ると,俺とはやてはゲイズ3佐と向かい合ってソファーに座った。

「それでは,まず人員配置と指揮系統に関する資料を確認させていただきます」

ソファーに腰かけるやいなやそう言ったゲイズ3佐に資料を手渡すと,
ゲイズ3佐は資料に目を通し始めた。

資料を読んでいたゲイズ3佐が資料から顔を上げたのは10分ほどたった
後だった。

「質問しても?」

「ええ,どうぞ」

「機動6課の幹部陣はほぼ全員が八神2佐の知人で固められていますが,
 理由をお聞きしたいですね」

「新設部隊な上に,本局所属でありながらミッドの地上部隊という特殊性から
 人集めに苦労しましてね。やむなく知り合いを頼ったんです」

はやてがにこやかにそう言うと,ゲイズ3佐はくいっと眼鏡を持ち上げて,
はやての目を見つめた。

「そうですか,それは大変でしたね」

言葉だけは,はやてを気遣うような言葉に聞こえるが全く温度を感じさせない
冷え切った声でそう言うと,ゲイズ3佐は再び資料に目を落とす。

その後,ゲイズ3佐から戦力運用や6課の戦闘についての質問がいくつか
あったが,はやては無難な答えを返していた。

部隊長室でのやり取りが終わると,各所を案内することになった。
発令所・格納庫・訓練スペース・デバイスルームなどを2時間ほど
かけて回った後,部隊長室に戻った。
部隊長室に戻り,再びソファーに座ると,ゲイズ3佐は口を開いた。

「本日は部隊運用・戦闘に関する資料一切と各施設を見せていただきました。
 今日拝見した限りにおいては,規則に従った適正な部隊と戦力の運用が
 なされているようですね」

「はい」

「ですが,些か過剰ともいえる戦力を機動6課が保有しているのは事実です。
 先日の戦闘でも一時的な能力リミッタ―の解除を実施されています。
 これらの処置については規則を順守し適正に運用するようにお願いします」
 
そう言って,ゲイズ3佐はたちあがった。
到着したときと同じように無言で俺達3人は玄関へと歩いて行く。
玄関前に止まっている公用車の前でゲイズ3佐が立ち止まり,
俺とはやての方を振りかえったかと思うと,右手を上げて敬礼した。
俺とはやてが返礼すると,ゲイズ3佐は公用車に乗り込み去って行った。

俺とはやては公用車が見えなくなるまで玄関先に立っていた。
公用車が見えなくなると,俺とはやてはお互いに顔を見合わせて,
同時に大きく息を吐いた。

「なんとか乗り切れたな」

「ああ。一連の違法行為が露見しなくて助かったよ」

「まったくや
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