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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第46話:監査
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最近はすっかり日常の一部になった,フォワードの訓練を終えて
食堂で朝食を食べていると,放送で部隊長室へと呼び出された。
俺が部屋に入ると,はやては頭を抱えていた。

「どうしたんだよ,はやて」

「地上本部から監査が入るって連絡があったんよ」

「監査?なんでまた」

「6課は高ランク魔導師をいっぱい抱え込んどるから,
 戦力制限が規定通りに運用されとるかどうかの監査やて」

「それなら,本局から監査が入るのがスジだろ?」

「そうなんやけど,6課は地上部隊やから地上本部もまるっきり
 無関係っちゅうわけやないし,ちょっと無理はあるけどスジは通るんよ。
 ま,所詮は表向きの理由やろうけどね」

「というと?」

「この前の戦闘では派手にやったからなあ,目についたんやろ。
 で,ちょっと調べてみたら私とかフェイトちゃんみたいな犯罪者もどきが
 上層部におる上に,高ランクの魔導師がゴロゴロしとって気に入らんから
 少し嫌がらせでもしたろと思ったんとちゃう?」

はやては少し苛立った様子で,ため息をついた。

「なるほどね。しかし監査か・・・これはちょっと厄介かな」

「そうなんよ。6課はぱっと見ツッコミどころ満載なんやけど,
 ちょっとほじくり返されたらやばいもんがゴロゴロしとるから」

「主に俺の部屋だな」

「そやからゲオルグくんを真っ先に呼んだんよ。・・・大丈夫やろな?」

「そのへんは抜かりなくやってるから,たぶん大丈夫だよ」

「シンクレアくんは?」

「あいつは調べ物で本局」

「そっか。ま,居らん方がええよな。ほんなら頼むよ」

「はいはい」



・・・午後。

俺とはやては隊舎の玄関で地上本部からの監査官を待っていた。
しばらくすると,黒塗りの公用車が目の前に止まった。
ドアが開いて,眼鏡をかけたいかにもキャリアウーマンといった風体の
女性士官が歩いてきて,俺達2人の前で止まった。

「今回,機動6課の監査を担当します,オーリス・ゲイズ3佐です」

「機動6課部隊長の八神はやて2佐です」

「同じく副部隊長のゲオルグ・シュミット3佐です」

「本日は,戦力運用が規定に則って適正になされているかの監査です。
 ご連絡が直前になり申し訳ありませんが,よろしくお願いします」
 
ゲイズ3佐は感情を感じさせない声でそう言うと,眼鏡をくいっと持ち上げた。

「理解しております。では先ずはこちらへ」

はやてはそう言うと,ゲイズ3佐を隊舎の中へと招き入れた。
部隊長室へと向かう道すがら,はやてが口を開いた。

「ゲイズ3佐はレジアス・ゲイズ中将とはどのようなご関係で?」

「娘です」

「そうですか」

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