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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第四章 いつだって、道はある。
イタチ
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――殺さないで……――
――貴様は、殺す価値もない――
 がくがく震えるサスケに、イタチはただ冷淡にそうつげた。
 ――愚かなる弟よ。この俺を殺したくば、恨め、憎め、そして、醜く生き延びるがいい。逃げて逃げて、生にしがみつくがいい――
 それからのことはよく覚えていないけれど、ただその言葉だけが印象的で。そしてサスケは復讐に縋って行き続けた。それだけを生きがいとしていた。一族を慕っていた実の兄に虐殺されて、それでも自殺の道を辿らなかったのは全てイタチのあの言葉のおかげとも言えるかもしれない。あいつを恨め、と心が弱くなって死にたいと思った時にはいつも自分に言い聞かせた。あいつを憎め。あいつを殺すんだ。復讐するんだ。
 復讐になんて意味はないと言い聞かせる大人もいるけれど、サスケはそれらに耳を貸そうとはしなかった。奴らにわかるわけなんてない。あの夜の慟哭も絶望も、そしてこの胸に抱いた憎悪も怨恨も。
 わかるわけ、ないのだ。

 +

「久しぶりだな……サスケ」

 うちはの敷地。息を切らしながらもサスケはイタチを睨んだ。その傍には大刀を背負った男が立っている。大刀の背負ったあの男だった。あの男がサスケに話しかけてきたのだ。サスケさんであってますねと青い肌の男は笑った。お兄さんが待っていますよと。そういい残して彼は消えた。サスケがそれを聞いてまず思い浮かべたのがうちはの敷地だった、だからサスケはここまで走ってきただけのことだったが。
 ビンゴ、だったようだ。

「うちはイタチ……アンタを、殺す」

 写輪眼の赤い視線が絡み合う。

「アンタの言うとおり、あんたを憎み、恨み、あんたを殺すためだけに俺は……!」

 千鳥が、雷がサスケの掌で踊る。余りに圧力をかけたために、皮膚がはがれる。それだけのチャクラをこめた、ということが何よりも強く現れていた。

「うおぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 兄と弟――
 決して愉快ではない、その再会。


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