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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第四章 いつだって、道はある。
イタチ
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の空、色を失ってモノクロになった建物の群れ。逆流する雲、見知らぬ世界に一人放り出されたサスケ。金縛りにあっているかのように動かない体、そして、自分の目の前に現れては倒れ、殺されていくうちはの者たち。
 ――ああ……あああ……――
 音を立てて飛んでくる手裏剣、鉄臭い血の音。鮮血の空がどろっと解けて、流れる鮮血のようにサスケの視界を埋め尽くす。見る耐えない数々の光景が一瞬にして脳に溢れかえる。
    ――うわぁああああああああああああああぁあぁあああッッッ!!!――
    叫び、頭を抱え、苦痛に体を捩って哀願する。
    ――やめてぇえええ、兄さぁああああん、こんなの見せないでぇえええええ!!――
    どすんどすんと目の前のうちはの者たちが倒れる。その向こう、兄は何の感情も読み取れない瞳でこちらを見つめている。真っ暗な闇の横たわる瞳。
    ――兄さん、どうしてぇ……? どうして兄さんがぁ……――
    雄叫びを上げながらうちは一族の者たちがイタチに向かっていく。
    ――やだぁ……いやだぁあああ……――
    彼らがイタチへと飛び掛り、そして殺されていく。
    ――うわぁぁああぁあああああ!!――
   頭を抱えて叫ぶ。振り返ると隣におばさんを庇って立つおじさんの姿があった。クナイが一閃、血が吹き出て、二人は死んだ。うわぁあああああああああ。頭を抱えて、サスケは苦しみに絶叫をあげた。
     場面が変わる。家の中、父と母の姿。その後ろでイタチが刀を振り上げている――
     ――父さんッ……母さんッ、やめて兄さん!! 父さんと母さんをっ……――
 
うわぁああああああああああああああああああああああああ!!

 絹を切り裂くような悲鳴があがる。目の前がまた流れる鮮血に覆われる……

 世界が元に戻った。力を失ったサスケが地面に倒れる。唾液が溢れ出て床に広がる。どうして、掠れた声がする。
 ――どうして、兄さんが……――
 ――己の器を測るため――
 ――そんな……ことで? ……それだけで?――
 心の片隅ではずっと、母と父がむくりと起き上がって、ちょっと悪戯っぽく笑って、どうだ驚いたか、演技なのに気づかないとはお前もまだまだだなだとか、実はこれトマトケチャップでね、今度うちはで演劇することになったからその練習なのよ、と言ってくれるんじゃないかと願っていた。おじさんとおばさんが、サスケちゃんどうだったとにこにこ問いかけてくるのを望んでいた。
いいじゃないかうちは一族全体での演劇。ある日うちは一族の天才イタチが狂気に取り付かれて家族を殺してしまい、一人生かされたイタチの弟であるサスケが彼に復讐するために努力するという復讐劇。おじさんやおばさんは案外ノリノリかもしれないし、母さんもわりと
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