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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
お兄様は妹を助けたい話
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んでいく。
胸に一抹の不安を抱えて。

そしてその不安は、見事に的中することになる。



?

「う…あ…。」

約3万倍の絶頂を受けた僕は、顔を顰めながら夢の中で目を覚ました。
いや、夢で目を覚ますというのも変な話だけど、本当にそんな感じだ。

上半身を起こして辺りを見回せばそこは見慣れたひまわり畑。
反対側にはもちろん、あの黄色い小さな家。
僕とゴッホちゃんが色んなことをして過ごした、思い出の場所……

でもゴッホちゃんはもう来てくれない。
あの背中の傷を見てしまって、彼女はどこかへ行ってしまった

「あ、あの……。」
「!!」

かに思えた

「ゴッホちゃん…?」
「お兄様…お久しぶり…です。数時間前ですが…。」

引きつった笑みを見せながら、彼女はそう答える。
ぎこちない仕草、しかし僕はそんなゴッホちゃんのある場所の異変に気付いた

「ゴッホちゃん!!」

慌てて起き上がり、駆け寄る。
彼女の手を持ち、僕は絶句した。

「えへへ…指を、詰められてしまいました。」
「…!!」

指がない。
両手揃えて十本の指が、そこには一本も存在しなかったのだ。

「なんで…なんで!!」
「ゴッホらしく耳も削ぎ落とされました。使命も何も全うできない中途半端なゴッホにはお似合いですね。」
「……。」
「あと、ごめんなさい。ゴッホはお兄様に嘘をついてました。私には、マスターがいます。」

何も言えなかったけど、
分かってはいた。

「どうして…どうしてゴッホちゃん…。」
「騙すつもりはなかった…と言うとずるいですね。私はマスターからお兄様…いえ、舞様暗殺の命を受け偶然を装いこうしてやってきま…」
「騙すとか騙されたとかそう言う話じゃない!!」

違う。
僕が聞きたいのは君の謝罪じゃない。

「辛いって、逃げたいって…どうして僕に言ってくれなかったの…?」
「……。」

いつまでも聞かないでいた僕も悪いだろう。
でも、辛くて辛くて、全身に痛ましい傷をつけられ、さらには指すら切り落とされ、そんなに辛いのなら、

助けて≠ニ、ただそれだけ言って欲しかった。

「舞様は…仮初ではありますが確かにゴッホのお兄様でした。ですが…私はサーヴァント。お兄様よりもまず、前提としてマスターの命令を聞かなければならないのです。」
「……。」
「その様子だともうお分かりですね。はい。ゴッホのマスターは、あなたのお兄様…葛城 恋様です。」

分かっていた。
わかっていたけど、否定し続けた。
お栄ちゃんに言われても、僕は違うって否定した。
でも、否定し続けて目の前のことから目を逸らし続けたツケが帰ってきた。

「ゴッホちゃん…!」
「はい、なんで
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