第2部
ダーマ
半年振りの再会
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「おい、いつまで寝てるんだ。そろそろ行くぞ」
ユウリに体を揺り起こされ、私ははっと目を覚ました。
ダーマの神殿の休憩所で話を聞いてから、部屋の端に作られた簡易ベッドに身体を預けていた私は、そのままぐっすりと寝入ってしまったらしい。昼前にここにやって来たはずなのに、目が覚めたときにはすっかり窓の外がオレンジ色に輝いている。
ベッドから身を起こすと、ユウリが仏頂面で私を見下ろしていた。
「ごめん! どのくらい寝てた?」
「二時間だ。さっさと支度しろ、寝坊女」
そう言うと私に背を向け、さっさと部屋を出て行ってしまった。その後ろ姿を追おうと慌てて追いかける最中、私はふとあることに気が付いた。
「ねえ、そういうユウリも寝てたんじゃないの?」
そう言ってユウリのそばまで駆け寄ると、彼の後ろ髪を引っ張った。
「っ!?」
「寝癖ついてるよ、ここ」
私を寝坊女扱いしてるくせに、自分が寝ていたことは隠そうとしていたのだ。普段私の髪の毛を思い切り引っ張ってるし、このくらいは許されるだろう。
「急に触るな!!」
だが、ユウリは顔を真っ赤にしながら私の手を振り払った。そしてこちらを振り向きもせず歩き出したではないか。
「……!!」
あまりにも理不尽な態度に、お腹の底からじわじわと怒りがこみあげてくる。
そんな彼に文句のひとつでもぶちまけるべく、詰め寄ろうとしたそのときだった。
どんっ!!
「わっ!?」
怒りで周りが見えてなかったのか、あろうことか私は、出合頭に人とぶつかってしまった。
「ごっ、ごめんなさい!! 大丈夫ですか?」
転びはしなかったものの、私に跳ね返されてバランスを崩した相手は、二、三歩たたらを踏んだ。
「……最近の僕はどうもついていないな」
ぼそりと、小さく呟く声が耳に入った。
ぶつかったのは、ルカと同じぐらいの背丈の子供だった。肩で切りそろえられたまっすぐな金髪に、透き通るほど美しい白い肌。さらにはお人形のように可愛らしい顔立ちをしているが、先ほど自分のことを『僕』と呼んでいたので、もしかしたら男の子なのかもしれない。
よく見ると、その後ろには数人の大人の僧侶が立っている。比較してみると、子供の方は他の人とは違う服を身にまとっている。服の色味や模様、装飾からして、子供の方が位の高い僧侶のようだ。
あれ? この子もどこかで見たことがあるような……。
「あ……、あの、本当にごめんなさい! どこか怪我はしてないですか!?」
すると、相手は怒るどころかにっこりと微笑んだ。
「大丈夫ですので、ご心配なさらず。あなたこそ、どこかお怪我はありませんか?」
「い、いえ、平気です。本当に、申し訳ありませんでした」
「こちらこそ僕の不注意でした。では、失礼します」
そう言って私に向かって会
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