第2部
ダーマ
半年振りの再会
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て来ると、若い女性の声が聞こえる。
けれど扉は閉まっており、外で何が起こっているのか一切わからなかった。
このままでは私たちも外に出られない。そう思い、私は急いで扉の前まで近づいた。扉の向こうにいるのは先ほど会った門番の僧侶しかいないはず。いるとしたら新しい転職希望者くらいだろうけど……。
この声、なんだか懐かしいような……。もう一度声が聞こえないかと、私は耳を澄まして聞いてみる。
「おい!! オレたちは別に転職しに来たわけじゃねーんだ!! ただ、こいつの弟に会いたいだけなんだよ!!」
「!!」
この声、ナギだ!!
ということは、さっきの女性の声は、シーラ?
マーリンって人に会いたいって言ってたけど、マーリンって誰?
「だから、ダメだって言ってるだろ!! どんな理由があろうと、お前たち二人はここから一歩も通すわけには行かないんだ!! わかってくれ!!」
「ノール!! あなたならわかるよね!? ここを離れていった息子を持つあなたなら!!」
間違いない。この声はシーラだ!!
「っ!! 黙れ!! あいつは……、ワーグナーは、我々ダーマの一族に貢献するために旅に出たんだ!! お前のように一族の誇りを捨てたわけではない!!」
「ワーグナー?」
ランシールで出会ったへそにゃんこと、ワーグナーさんと同じ名前だ。同姓同名だろうか。
それより、一体この状況はどうすればいいのだろう? 考えあぐねていると、無言でユウリが一歩前に出て、左手を前に突き出した。
「ライデイン! 」
ドガーーン!!
「えええっ!?」
ユウリが放った雷撃の呪文は、目の前の扉に直撃し、白い煙を上げた。衝撃によってひん曲がってしまった扉には、人一人通れるほどの隙間ができている。
突然扉が爆破され、向こう側から恐る恐る顔を覗かせるのは男女二人組。それは半年振りの懐かしい姿であった。
「お、お前……、ユウリ!?」
「ミオちん!?」
声の主は、やはりナギとシーラだった。二人は私たちがここにいるとは当然思っておらず、ひどく驚いた顔でこっちを凝視している。
「な、なんでユウリちゃんたちがここに!?」
「さっきからグダグダグダグダと……。能書きはいいから早く扉を開けろ」
「いや、すでにもうお前が開けてるし!」
目が据わっているユウリに対し、すぐさま突っ込みをいれるナギ。ああ、久しぶりだなあ、このやりとり。
半年振りの感動の再会に、扉を開けるなら最後の鍵を使えばいいのにと思うことすら忘れてしまっていた私だが、普段と違うシーラの姿に目を丸くした。
今の彼女の姿は、今までのバニーガールではなく、イシスで手に入れたあと彼女に渡した防具を身に付けていた。さらに、彼女の髪はいつもの巻き毛ではなく、さらさらのストレートヘアになっている。そう、まさ
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