プレーンシュガー
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んに、友奈ちゃん。いらっしゃい」
城戸真司。そして、結城友奈。
それぞれ、ハルトと真司が命を預けて戦う仲間たちである。
「おっす可奈美ちゃん! 差し入れ持ってきたぜ!」
真司はそう言って、手に持っていた紙袋をカウンター席に置いた。
身を乗り出したココアは、目をキラキラさせながら真司を見上げる。
「わあ! ありがとう真司さん!」
「おう! ココアちゃんも、チノちゃんと仲良く分けてくれ」
「うん! それに、友奈ちゃんもありがとう!」
「わーい! ココアお姉ちゃん!」
ココアが勢いよく友奈に抱き着く。友奈も笑顔でそれに答え、彼女に抱き返している。
素直だなあ、と感心しながら、可奈美は紙袋を開けた。
中には、プレーンシュガーと呼ばれる種類のドーナッツが八個、入っていた。
「……これ、どうしたの? 凄く高そうだけど」
「バイト先の先輩が、お得意さんからもらってきたんだよ。で、新しい店の商品として、色んな人から感想を教えて欲しいって」
「へえ……それじゃあ、早速皆で頂こうか」
可奈美は食器棚を開き、皿を取り出す。キッチンにかけてあったステンレスのトングを手にし、八個のプレーンシュガーを盛りつける。
「はい。ココアちゃんとチノちゃんも、手を洗ってから食べてね」
「ありがとう! 可奈美ちゃんも食べよう!」
「いや、俺……私は……」
可奈美は答えをあやふやにしようとするが、そんな可奈美の背後にチノが回り込む。
「ハルトさんは食べないんですか」
「上に……あっ」
しまった。さっき、あれほどココアを止めようとしていたのに。
可奈美が後悔するもののもう遅い。可奈美が一歩踏み出したころには、すでにココアが廊下から階段を駆け上がっていた。
「ココアちゃん! 待っ……」
「ハルトさん! 真司さんが差し入れ持ってきてくれたよ!」
ココアの元気な声が、本来自分の自室であるはずのドアを叩く。
慌ただしいノック音の末、その扉が開き、本来の自分の姿、松菜ハルトが姿を現わす。
「どうしたの?」
「ハルトさん! 真司さんが、差し入れ持ってきてくれたよ! 一緒に食べよう!」
「本当!? うわー、なんだろ!?」
俺そんなに目を輝かせたりしないよ、と可奈美は頭を抱えた。
そんな可奈美の気苦労など露知らず、ココアはハルトを連れて一階に降りる。
その際、ココアは一階の踊り場に立つ可奈美へ声をかけた。
「可奈美ちゃん、どうしたの?」
「う、ううん。何でもないよ」
|可奈美《
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