第38話:隊舎への帰還
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「そういえば,なのはちゃんとかフェイトちゃんを筆頭にみんな心配してるで。
ちょうど昼時やから,みんな食堂におるやろ。ちゃんと挨拶しときや!」
「へいへい」
俺は部隊長室を出るとその足で,昼食をとるために食堂に向かった。
食堂につくと,なのはが一人で食べているのが見えたので
ちょうどいいと思った俺は,なのはに声をかけることにした。
そっとなのはの背後に忍び寄った俺は,なのはの左肩に手を乗せた。
が,いつものように愉快な声が聞こえて来ない。
不思議に思った俺はなのはの横顔を見た。
なのはは,焦点の合わない目で,宙を見つめていた。
「おい!なのは!」
俺が立ち上がって強めに声をかけると,ゆっくりとした動きで
なのはは俺の顔を見た。
「ただいま戻りましたよ」
俺がそう言うと,なのはの目に光が戻ってきた。
「・・・ゲオルグくん?」
「おう。ゲオルグくんですよ」
そのとき,なのはの目から涙がこぼれ落ちた。
「・・・なのは?」
俺は予想もしなかった出来事になのはの名前を呼ぶことしかできなかった。
「・・・心配したんだよ。いきなりいなくなっちゃって。
はやてちゃんに聞いたら2日ほど出張を頼んだって言ってたのに,
3日たっても戻ってこないし・・・」
「なのは。心配かけてごめん・・・」
俺がそういった瞬間,俺の右頬になのはのビンタがさく裂した。
少しバランスを崩した俺がなのはを見ると,少し赤い目をしたなのはが
妙にすっきりした顔で座っていた。
「あー。すっきりした!」
「・・・いきなり殴るなよ」
「心配かけた罰だよ」
「ったく,はやてといいなのはといい,俺の扱いが雑だろ!」
「はやてちゃんにも殴られたんだ。しょうがないね」
「しょうがなくねえよ。ま,はやてはグーだったからなのはの方がましだけど」
俺がそう言うと,何かツボにはまったのかなのはが大笑いした。
俺がなのはに張られた右頬を抑えながらなのはの正面に座ると,
なのはは少し真剣な顔で俺の顔を見た。
「本当に心配したんだからね」
「御心配をおかけしてすみません」
俺はそう言って深く頭を下げた。
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