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レーヴァティン
第二百七十五話 邪神の島その十一

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「心が落ち着いてな」
「それからな」
「また考えて動けばいい」
「あらためてか」
「死ねば終わりだ」 
 その時点でというのだ。
「だが生きていたらな」
「また何か出来るな」
「致命傷でもだ」
 例えそれを受けてもというのだ。
「生きていればまた何か出来る」
「孫正義さんもそう言ってたな」 
 ソフトバンクグループの会長であり福岡ソフトバンクホークスのオーナーでもある、日本財界の有名人の一人だ。
「確か」
「あの人については色々言う人もいるが」
「その言葉は真理だな」
「そうだ、生きていればだ」
 例え大きな傷を受けてもというのだ。
「何か出来る、だからな」
「自殺するならな」
「誰かに悩みや苦しみを吐き出してだ」
 そうしてというのだ。
「逃げることだ、一人で悩むよりもな」
「そうした方がいいな」
「そして本当にだ」
「逃げてもいいな」
「逃げると駄目だ、向かえと言うが」
「時と場合によるな」
「力を持たない人物が圧倒的な暴力を振るう相手に向かえるか」
 英雄は今度はこう例えて話した。
「果たして」
「殴る蹴る罵るで凶器まで使う様な奴か?」
「そうだ、人をいたぶることに快楽を感じる屑にだ」
 そうした輩にというのだ。
「法律の力を使って向かえるなら兎も角な」
「全く何もなくて向かえるか」
「誰も味方はいなくてだ」
「絶対に無理だな、だったらか」
「逃げることだ」
 そうした輩からはというのだ。
「傍にいてもいいことなぞない」
「それこそ自殺する位悩むな」
「そうした相手に向かえと言うならだ」
 それならというのだ。
「自分が責任を以て全力でだ」
「その人の代わりに向かうべきだよな」
「俺はそんなことはしない」
 英雄自身はというのだ。
「その人には逃げろと言い」
「そうしてか」
「相手は警察に通報してだ」
 そうしてというのだ。
「法の裁きにかける」
「そうするよな、やっぱり」
「後はネットで拡散してだ」
 その輩の悪事をというのだ。
「社会的にも抹殺してやる」
「お前は俺と一緒で屑には容赦しないからな」
「だからだ」
「そこまでするな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「生きて来たことを後悔させてやる」
「そこまでやるな」
「ああ、兎角自殺する位ならな」
「誰かを頼って逃げることだな」
「誰も味方のいない人間もいない」 
 この世にはというのだ。
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