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レーヴァティン
第二百七十五話 邪神の島その一

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                第二百七十五話  邪神の島
 クトゥルフがどの島に神殿を置いているのかもわかっていた、英雄も久志も神託でそのことを常にだった。
 頭の中に置いていた、そのうえで。
 戦の準備の最後の詰めに入ったが。
「あと少しでだ」
「武具も兵器もな」
「予定通りの状況にな」
「到達出来るな」
「空船もな」
 こちらもとだ、英雄は久志に話した。
「それだけの数がだ」
「整うな」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「弾薬もな」
「揃ったな」
「火器を使うならな」
 銃や大砲をというのだ。
「それならだ」
「そっちも必要だからな」
「弾薬もな」
「そうだよな」
「弾がないとだ」
 それこそというのだ。
「火器はな」
「何でもないな」
「そうなる、だからな」
「そっちも揃えたな」
「これまでな、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「将兵達自身もな」
「鍛えてな」
「そしてだ」
「目標のレベルまでな」
「平均を上げた」
「そうなったな」
「苦労したな」
「将兵を育てるにもな」
「随分な」
「だがな」
「その苦労もな」
「ようやくだ」
 まさにというのだ。
「終わる」
「もうすぐな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「全て整ったならだ」
「攻めるな」
「そうする、いいな」
「ああ、本当にな」
「時が来るな」
「俺達がこの世界に来た」
「その目的を達する時がな」
「今まさにな」
「来ようとしている」
「そうだよな」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「それが整ったならだ、空船でだ」
「あれに乗ってな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「攻め込むぞ」
「そうするか、ただな」
「空船の数には限りがある」
「だから百万の軍勢をな」
「一度に運べない」
「百万もいれば」
 軍勢がというのだ。
「一気に送るなんてな」
「この世界の技術では無理だ」
「俺達が起きた世界でもだよ」
「非常に難しい」
「そうなんだよな」
「ドイツ軍は広大な戦線に三百万の軍勢を送り込んだ」
 バルバロッサ作戦である、ヒトラーがソ連に大軍を送り込んだ作戦でこれが長く何の救いもない独ソ戦のはじまりとなった。
「これもだ」
「三百万の軍勢をそれぞれの戦線に配置してな」
「動かしただけでもだったな」
「かなりだったな」
「人類史上最大クラスの作戦だったが」
 三百万の大軍を動員したというのだ。
「陸上だった、陸は最悪歩けばいいば」
「空船だとな」
「無理だ」
「百万の軍勢を一気になんてな」
「だからだ」
 そうした前提があるからだというのだ。
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