第四章
[8]前話
「山下さんもだったな」
「ああ、この人のことは考えてなかったが」
「本当にそうなったな」
「そうだよな、それでな」
須郷も自分の部屋にいる、そこでその声優のブログやツイッターを観つつ話した。
「俺思ったんだけれどな」
「どうしたんだ?」
「いや、山下さんずっとな」
電話の向こうの松岡に真剣な声と顔で話した。
「お兄さんと旅行したとか言われてたな」
「そうだったな」
松岡もその通りだと答えた。
「ずっとな」
「それが実はな」
そう言っていたことがというのだ。
「彼氏さんでな」
「結婚した相手の人か」
「そうじゃないのか?」
こう考えて言うのだった。
「ひょっとして」
「ああ、だからか」
松岡も言われてはっとなった。
「三人姉妹の長女さんってプロフィールにあってもな」
「お兄さんいたんだな」
「そのお兄さんが実はな」
「同棲している彼氏さんで」
「今結婚した相手の人か」
「そうだろ」
松岡に考えつつ答えた。
「まさにな」
「そういうことだったんだな」
「ああ、そういえばご兄弟と何処行ったとか何したってブログとかで言う声優さん多いだろ」
「二十代の人でな」
「そうした人実はな」
「彼氏さんとか」
「そうしてるんだろ、実際結婚のこと言わなくてな」
ブログやツイッターでだ。
「いきなり妊娠したとか言う人もいるだろ」
「いるな、そういえば」
「実は結婚されていてな」
「本当にそうした人いるしな」
「声優さんの言われるご兄弟はな」
言うまでもなく若手の女性声優のことである。
「それはな」
「違うんだな」
「彼氏さんや旦那さんだってな」
「思った方がいいか」
「そうだろうな、しかし山下さんも結婚されたんだ」
須郷はあらためて言った。
「だったらな」
「ああ、おめでとうってな」
「お祝いしないとな」
「そうだな、結婚されたらな」
そのことはというのだ。
「素直にお祝いしないとな」
「そうだろ、だからな」
それでというのだ。
「俺ツイッターにコメントするな」
「おめでとうってだな」
「ああ、お前もそうするだろ」
「それが正しいファンだからな」
松岡もお祝いすることこそがと答えた。
「それじゃあな」
「ああ、お祝いしような」
「そうしような」
こう話してそうしてだった。
二人はそれぞれのハンドルネームで彼女のツイッターにおめでとうございますと書いた、そうして素直に祝福した。すると彼等は自然と笑顔になった。
声優の兄弟 完
2022・7・16
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ