第31話:教導官と副部隊長の対立
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・・・なんで邪魔するのかな,ゲオルグくん」
「なんのつもりだよ,なのは」
「・・・教導の邪魔しないでくれるかな?ゲオルグくん」
「教導?ふざけんなよ。ボロボロの奴に追い討ちかけて墜とすのが教導か?」
「・・・何度も言わせないで欲しいな,ゲオルグくん」
俺は聞く耳を持たないなのはにいい加減腹が立ってきた。
「模擬戦は終了だ。ここから出て行け,高町一尉」
「それは命令なのかな。ゲオルグくん」
「当然だ。機動6課副部隊長として命ずる。
高町一尉は別命あるまで自室で待機。異議は認めん」
「・・・了解」
なのはは力なくそう言うと,隊舎の方へ行こうとする。
「なのは。右手はシャマルに治療してもらえよ」
俺はなのはの右手から滴り落ちる血を見て,なのはの背中に向かって
そう言ったが,なのははそのまま飛び去った。
「それから,ナカジマ二士」
俺がそう言うとスバルは肩を震わせた。
「貴様はランスター二士を医務室へ搬送。以後は別命あるまで自室で待機」
「・・・」
「復唱はどうした」
「・・・ランスター二士を医務室へ搬送後,自室にて待機します」
スバルはうつむいてそう言うと,ティアナを連れて隊舎に向かった。
隊舎の方を見ると,ヴィータがこちらに向かってきた。
「ゲオルグ!なんでなのはの教導を邪魔した!」
ヴィータが食って掛かってきたので,俺はヴィータの襟を掴み上げ
頬を張った。
「言葉に気をつけろ。ヴィータ三尉」
「うるせー。あたしはなんでなのはの邪魔をしたか聞いてんだ」
「部隊運営を預かる者として,部下への行き過ぎた体罰は認められんからだ。
わかったか,ヴィータ三尉」
俺はそう言うとヴィータの襟を掴んでいる手を離すと,隊舎へと戻った。
屋上ではシグナムからすれ違いざまに一言だけ言われた。
「・・・不器用な奴め」
「ほっとけ」
俺は,屋上を出ると副部隊長室にこもった。
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