第二章
[8]前話
「この屋敷は純和風だが」
「それも変えるんだ」
「和風と洋風をな」
その両方をというのだ。
「取り入れてトイレもな」
「今は全部和式だけれど」
「洋式にする、全部な」
それこそというのだ。
「それでバリアフリーもだ」
「取り入れるんだ」
「そうする、耐震も入れるし防火や防水もな」
そういったものもというのだ。
「全部な」
「最新式のものにして」
「そしてな」
それでというのだ。
「今の屋敷とはな」
「全く違うものにするね」
「そうだ、その話をしていくぞ」
「わかったよ」
洋一は父の言葉に頷いた、そうしてだった。
二人は他の家族それに使用人達それに建て替えをしてくれる業者も呼んで徹底的に話していった、そして。
屋敷を建て替えた、その屋敷はこれまでの純和風の御殿と言えるものではなく屋敷と洋館が並列してあってだった。
内部はバリアフリーも考慮されかつ燃えにくい素材が使われ風呂場もトイレも最新的なものであり。
クーラーもヒーターもどの部屋にあり防水も整っていた。
その屋敷の中を隅から隅まで確かめてだ、洋一は父に話した。
「いや、もうね」
「何かとだな」
「最新のものを取り入れて」
「それこそ根本から造り替えたな」
「全くの別ものだよ」
それこそというのだ。
「この屋敷は」
「そうしないとな」
「今はだね」
「駄目だからな、屋敷と言ってもな」
豪邸と言われる様な場所でもというのだ。
「聞こえはいいが」
「こうしてだね」
「何かとしないとな」
「駄目だね」
「ああ、これはこの屋敷だけでなくてな」
「普通の家もかな」
「大なり小なりな」
それこそというのだ。
「一緒だろうな」
「つまり家を建て替えるのは大変ってことかな」
洋一は父の話を聞いて言った。
「つまりは」
「そうだな、ただこの屋敷位になるとな」
「大きいだけにだね」
「こうしてな」
大なり小なりの大でというのだ。
「大変だな」
「そういうことだね」
「ああ、また建て替える時はな」
「僕がだね」
「頼むな」
「その時の技術や基準で建て替えるよ」
父に強い声で約束した、新しく建て替えた屋敷は実に暮らしやすかった、それはその際の苦労や費用に見合うものだったとも義直も洋一も思った。だが大変だったと思うことは変わらないことであった。
豪邸の苦労 完
2022・12・23
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