第三章
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「いいことなんてあるかよ」
「そうか」
「ああ、俺は今の日本みたいな国で金持ちになりたいんだよ」
こう言ったのだった。
「北朝鮮じゃないんだよ」
「それで将来はか」
「ああ、大企業の社長になってな」
またこう言うのだった。
「大金持ちにな」
「なるんだな」
「皆が金持ちになる中でな」
壮人は強い声で言った、そして。
彼は高校大学と進学しやがて起業してだった。
一代で日本を代表する企業の経営者になった、この時日本は彼が中学生の頃より豊かになっていたが。
北朝鮮はさらに酷くなっており。
「酷い国だな、あんな国には生まれたくないな」
「全くですね」
「誰が生まれたいのか」
誰もがその言葉に頷いた、そしてだった。
壮人にだ、こう言った。
「日本で頑張れよ」
「折角この国に生まれたんだからな」
「日本で社長になってな」
「金持ちになれよ」
「ああ、そうなるな」
こう言ってだった。
壮人は学校の勉学だけでなくだ。
やがて経営学や世の中のことも学んでいき大学を卒業してすぐに就職をしてそこから独立し起業してだった。
実際に大企業の経営者になり大金持ちになった、だが。
北朝鮮まだあるその国を見て中学の同窓会で彼等と話した。
「相変わらずって言うかな」
「どんどん貧しくなってるみたいだな」
「実情はな」
「外に情報を出さない国だからよくわからないが」
「そうみたいだな」
「あの国はな」
壮人はさらに言った。
「どうしようもないな」
「本当にあんな国で金持ちになってもな」
「いい気分しないだろうな」
「皆が餓えている中でそうなってもな」
「それで何時粛清されるかわからないなら」
「皆が豊かになって安全にだよ」
壮人はまた言った。
「金持ちにならないとな」
「松下幸之助さんもそうだったな」
「そう言われてるしな」
「それでお前もか」
「皆が豊かになってか」
「それも安全にな」
まさにというのだ。
「金持ちにならないとね、日本で金持ちになってよかったよ」
心から言った、そうして同窓会が終わった次の日からまた働いた。日本で金持ちになるという夢を適えられたことを喜びながら。
そんな国で金持ちに 完
2022・12・22
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