第一章
[2]次話
けりぐるみが好きな猫
茶色と白の毛で特に顔の左右の耳その周りの部分がその色であることが目立つソフィーは雌のスコティッシュフォールドである、この種類の猫によくある垂れ耳が目立っている。
ソフィーはかつては保護猫で今は篠田家の家族になっている、明るく寝ることと遊びが大好きな娘だ。
家族にもよく懐いているが何かあるとだ。
ぬいぐるみで遊んでいた、それを噛んだり蹴ったりしている、一家の夫であり父である港の作業員雄太はその彼女を見て言った。面長で優しい顔をしていて黒い髪の毛を右で分けた一七八近くの背で痩せた身体である。
「ソフィーはぬいぐるみ好きだな」
「あれけりぐるみっていうのよ」
一家の妻であり母であり真理が答えた、やや茶色がかった髪の毛を長く伸ばしていて五角形の顔に穏やかな顔立ちである。背は一五六位ですらりとしているが胸はわりかしある。
「猫ちゃんが遊ぶ為のぬいぐるみでね」
「ああしてか」
「あると」
自分の傍にというだ。
「抱きついて噛んだり蹴ったりしてね」
「遊ぶんだな」
「そうよ」
「他のおもちゃでも遊ぶけれど」
一家の息子の裕一も言ってきた、父親そっくりの外見で小学三年生である。
「あのおもちゃが一番好きだね」
「そうだな、皆と遊んでいない時はな」
父は息子に応えた。
「あのけりぐるみで遊んでいるな」
「そうだね、けれどね」
ここでだ、息子は首を傾げさせて言った。
「何であのおもちゃが一番好きなのかな」
「うちに来る前にいた猫カフェから持って来たものらしいな」
父は息子にこのことを話した。
「お店の人がソフィーの一番のお気に入りだからな」
「うちに一緒にだね」
「そう言って持たせてくれたんだけれど」
「あっ、何でもね」
真理は夫と我が子に話した。
「あのけりぐるみはソフィーがあの猫カフェに来た時にね」
「保護されてか」
「それからすぐにね」
夫に応えて話した。
「遊ぶ様になって猫カフェにいる間毎日遊んでいたらしいの」
「ここに来るまでか」
「そうしたものらしいのよ」
「ソフィーにとって最初の友達か」
「それでね」
そのうえでとだ、真理はさらに話した。
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