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レーヴァティン
第二百七十三話 全てを整えその十

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「こちらが知って相手は知らない」
「そう思うことはな」
「そのことを確かに知っていないとでござる」
「思うだけでもだ」
「危険でござる」
「こちらが知っていることは相手も知っている」
 そう思う位でとだ、英雄は述べた。
「むしろな」
「バランスが取れる位でござる」
「そうだ、ましてや相手は神だ」
「神ならばでござるな」
「常に俺達人間のことを見てだ」
「動くでござるな」
「それが神という存在だ、神話でもだ」
 世界各国のそれでもというのだ。
「そうした風にだ」
「しているでござるな」
「キリスト教の神は天界から全てを見ている」
「オリンポスの神々はまさにそのオリンポス山から見ているでござる」
「神は常に人を見ている」
 そうした存在であることを敢えて話すのだった。
「それはどんな神々でも同じだ」
「破壊と混沌の神々でもでござる」
「神霊は善とは限らない」
 ただ仏は違う、仏とは輪廻から解脱し煩悩から解き放たれており悪しき心は持っていないからである。
「悪である場合もある」
「人から見ればでござるな」
「そうだ、善悪は全てこの世の摂理の中にあり」
「人もでござる」
「人もやはりな」
「その中にあってでござる」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「人の立場から考えるが」
「そこで善悪が判断されるでござる」
「ラグクラフトの神々も同じだ」
 クトゥルフもそこにあるがというのだ。
「人間から見ると破壊と混沌の神々でだ」
「悪意に満ちているでござるが」
「あの神々もだ」
「この世の摂理の中にあるでござるな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「このことは同じだ」
「そうでござるな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「俺達が今話していることもな」
「あくまで主観でござるな」
「それに過ぎない」
 まさにというのだ。
「そのことをだ」
「頭に入れておくべきでござるな」
「そうだな、そして話を戻すが」
「神は常にこの世界の全てを見ているでござる」
「それもまた神の力でだ」
「神の仕事でござるな」
「そのうえで動くこともな」
 このこともというのだ。
「やはりな」
「イスラムは特にその考えが強いぜよ」
 当季も言ってきた。
「まっことのう」
「アッラーは絶対の存在でな」
「まっことこの世の全てをぜよ」 
 まさにというのだ。
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