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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第15話:避難は計画的に
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からはやてのどうぞという声がしたので,ドアを開けて部屋に入った。

「ゲオルグくんか,お疲れさん」

「はやてこそ,今日は地上本部だっけ。お疲れ様」

「うん。ありがとう」

俺は,今日の会議についてはやてに簡単な報告をした。
それを聞いたはやては嬉しそうに笑った。

「ほんまにゲオルグくんさまさまやね。
 私には,そんな発想はなかったもんなぁ」

「ん,そうか?まぁ,俺も陸にいたことはないから探り探りだったけどね。
 まあ,グリフィスが助けてくれるからできたんだよ」

「謙遜しすぎやって。ゲオルグくんがいてくれるから,
 私は,安心して外と話をしにいけるんやで」

「それはどうも。でも,はやても特に地上本部からの
 風当たりが強いって聞いたぞ。大丈夫か?」

「うん。まぁ,今日はちょっと疲れたかな」

「そっか。あんまり無理はすんなよ。んじゃ,俺は部屋に戻るわ」

「うん。おやすみ,ゲオルグくん」

「ああ,おやすみ」


自室に戻ると,俺は姉ちゃんの日記帳を開いていた。
前に実家に戻ってからは,ほぼ毎日開いている。
読むというよりは眺めるといった感じだが。

《マスター,今よろしいですか?》

レーベンが話しかけてきたので俺は日記帳をしまった。

「なんだ?レーベン」

《マスターは,カリムさんの予言にあった”無限の欲望”が
 ジェイル・スカリエッティだと考えておられるのですよね?》

「ああ」

《さらに,ジェイル・スカリエッティは最高評議会と密接につながっていると》

「そっちはさすがにまだ自信がないよ。まぁ,クレイの情報待ちだね」

《でも,マスターはつながっていると考えているのでしょう?》

「まあな」

《・・・はやてさん達にお話しにならなくてよいのですか?》

俺はため息をついた。

「あのなぁ。こんな荒唐無稽なことを,何の証拠もなしに言って
 誰が信じると思うんだ?」

《例のメモと合わせればはやてさんは信じてくれそうですが》

「・・・俺はまだ話す気は無い」

《では証拠が見つかったら話すんですか?》

「さあな」

《またマスターは一人で抱え込むつもりなんですか?》

いい加減俺も腹が立ってきた。

「うるせぇよ,レーベン。もう黙ってろ」

《・・・はい。判りましたマスター》

俺はそのまま眠りについた。



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