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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第13話:里帰り、そして・・・
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そう言うと,母さんは呆れたような顔をした。

「あんたは,母さんの息子なんだよ。いくつになっても」

「そうだね。ありがと,母さん」

「どういたしまして」

そう言って笑った母さんの笑顔は,昔のままだった。


俺は,その後少し母さんと話をして,日も傾いてきたところで,
家を出ることにした。

「今はミッドにいるから。また来るよ」

「いつでも帰っておいで。今度は泊まっていけるようにね」

「うん,じゃあ母さん。行ってきます」

「はいはい。行ってらっしゃい」


1時間後,俺はクラナガンの繁華街から一本裏通りに
入ったところにあるバーに来た。
ドアをあけて入ると,顔見知りのマスターが声をかけてきた。

「やあ,いらっしゃい」

「よう,マスター。どれくらいぶりだい?」

俺がそう言うと,マスターは少し考えたように間をとると,口を開いた。

「・・・もう1ヶ月になるんじゃないかなぁ」

「そんなに来てなかったっけ」

「・・・なんにする?」

「今日は車だからな。ノンアルコールでなんか適当に」

「・・・はいはい。そういえば,例のもの入ってるよ」

「ホントに?見せてよ」

「んじゃ奥に行こうか」

マスターはそう言うと,アルバイトらしい青年にちょっとの間頼むというと
店の奥に向かった。
俺があとについていくと,マスターは棚を横にスライドさせた。
そこには,IDカードを通すためのスリットと,指紋認証プレートがあった。
マスターは,胸ポケットからカードを取り出し,スリットに通してから,
自分の親指をプレートに押し付けた。
すると,壁がスライドし奥には所狭しとたくさんの機器が並んだ部屋が現れた。
俺がマスターのあとに続いてその部屋に入ると,また壁がスライドして
入口が閉じた。そこで,マスターは息を吐いた。

「旦那。いい加減このめんどくさいやり取りやめません?」

「だめだ,魔法で俺やお前の容姿を使われる可能性がある。」

俺が店に入ってからの会話はすべて,俺が俺であること,
そしてコイツがコイツであることを確認するための合言葉だった。

「そっすね。で,今日はなんです?」

コイツは,俺が情報部に居た頃から情報屋として使っている男だ。
一応クレイという通り名は知っているが,本名は知らない。
表向き,場末のバーのマスターをしているが,本業は凄腕のハッカーだ。
前に,本局のデータベースに侵入したカドで俺が捕まえたのだが,
俺に協力する見返りに見逃してやっていた。

「お前さ,地上本部のデータベースに入れるか?」

俺がそう聞くと,鼻で笑った。

「楽勝っすよ。あそこのセキュリティはユルユルっすからね。
 地上本
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