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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第12話:疑惑の胎動
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の記録によれば,”無限の欲望”なるものは,
 最高評議会と密接に関係があるってことになるよな」

「そうだね。ねぇ,ゲオルグ。友人として言うけど,この件には,
 首を突っ込まない方がいいと思うよ」

ユーノがそう言っているのを聞きながら,俺はあることを思い出していた。

(この日って,確か姉ちゃんが死んだ日だよな・・・)

「ゲオルグ?どうしたの?聞いてる?」

ユーノが俺の顔を心配そうに覗き込んでいた。

「・・・大丈夫だよ。なあユーノ。この件,他には誰にも話してないよな」

「話せるわけないでしょ。こんなの」

「ならいいんだ。忙しいとこ悪かったな,ユーノ」

俺はそう言うと,時計を見た。もう会議にいかなければならない時間だった。
俺は立ち上がると,ユーノの方を振り返って言った。

「お前はもうこの件に関わらないほうがいい。じゃあな」


その後,俺は呆然とした頭で会議に出席したが,
内容はほとんど頭に入ってこなかった。

隊舎に戻ってからも,はやてに頼まれていた仕事をいつもの3倍は時間をかけて
なんとか片付け,俺は寮の自室に戻り,ベッドに倒れ込んだ。

《マスター,大丈夫ですか?》

レーベンが心配そうに話しかけて来たが,俺は返事をする気力も無かった。


翌朝,いつもより10分遅く起きた俺は,朝食も取らずに部隊長室に向かった。
ブザーを鳴らしてから入るとはやてに話しかけた。

「はやて。急で悪いけど今日俺休暇とっていい?」

はやては驚いて俺の顔を見た。

「どないしたん,急に」

「いや,別に。ただ,ミッドに移ってから実家に帰ってないから,
 里帰りしようかと思って」

「そうなんか。かまへんけど・・・」

俺はそこまで聞くと,はやての話を遮った。

「ありがと,はやて。今度なんか埋め合わせするよ」

そう言って,俺ははやての部屋を出た。

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