暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第12話:疑惑の胎動
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「了解。ほんならええよ」

「さんきゅ。じゃあな」

俺は朝食を食べ終えたので,立ち上がろうとすると,はやてに袖を掴まれた。

「あかんよ,女の子を置いて先に行ってまうなんて」

はやてがそう言うと,リインも続いた。

「ですです。リインもゲオルグさんとお話したいのです」

結局,俺はそれから10分ほど2人と雑談をして,食堂を後にした。


それから,俺は自分の車で近くの転送ポートまで移動し,本局に到着した。
そして,まっすぐ無限書庫に向かった。
無限書庫に着いて,ユーノに会いにきたことを伝えると,司書長室に通された。
俺が部屋に入ると,ユーノがデスクに座って,うとうとしていた。
俺はユーノの目の前まで来ると,ユーノの顔の前でパンっと両手を合わせた。

「ん?ああ,ゲオルグか。ごめん,うとうとしてたよ」

「お前大丈夫か?前にも増して疲れた顔してるぞ」

ユーノは目の下に盛大なクマのある顔で俺を見ると,盛大なため息をついた。

「クロノが,またどっさり資料を請求してきてさ。3日ほど家に帰ってない」

「そっか。ゴメンな,そんなに疲れてるときに」

「ううん。呼び出したのは僕だし構わないよ。それに悪いのはクロノだからね」

ユーノはそう言うと,右手で眉間を揉んだ。

「で,連絡をくれた件だけど・・・」

俺がそう言うと,ユーノは右手で部屋のドアを指さした。

「ちょっと外で話そうよ」


俺たちは,本局の居住区画にある公園のベンチに座っていた。

俺が缶コーヒーを買ってきて渡すと,ユーノは一口飲んで話し始めた。

「実はね,見てもらいたいのってこれなんだよ」

ユーノはそう言って,俺に一枚の紙をよこした。
そこには,

 業務記録 新暦67年6月23日
 
 本日,ポイントC23に襲撃あり。
 襲撃者は全員撃退し,特に問題なし。
 襲撃者は,首都防衛隊の1部隊。
 研究データおよび被検体は”無限の欲望”によりポイントD18に移設。
 情報工作を実施し,研究に関する情報漏洩なし。
 今後,情報管理の見直しを実施予定。
 
と書かれていた。

「ユーノ。お前にはこの内容の意味するところがわかるのか?」

俺が尋ねると,ユーノは首を振った。

「ううん,全然。ただ,コイツの出処がね・・・」

ユーノはそこで一旦言葉を切り,周囲の様子を伺っているようだった。
周囲に人影がないことを確認すると,また話し始めた。

「実は,コイツの出処は,管理局中央の最高評議会事務室の業務記録なんだよ」

「なんだって!?」

俺が思わず大声を出すと,ユーノが俺の口を手でふさいだ。

「だめだよ!大声出しちゃ」

「わりぃ。でも,こ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ