第12話:疑惑の胎動
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「了解。ほんならええよ」
「さんきゅ。じゃあな」
俺は朝食を食べ終えたので,立ち上がろうとすると,はやてに袖を掴まれた。
「あかんよ,女の子を置いて先に行ってまうなんて」
はやてがそう言うと,リインも続いた。
「ですです。リインもゲオルグさんとお話したいのです」
結局,俺はそれから10分ほど2人と雑談をして,食堂を後にした。
それから,俺は自分の車で近くの転送ポートまで移動し,本局に到着した。
そして,まっすぐ無限書庫に向かった。
無限書庫に着いて,ユーノに会いにきたことを伝えると,司書長室に通された。
俺が部屋に入ると,ユーノがデスクに座って,うとうとしていた。
俺はユーノの目の前まで来ると,ユーノの顔の前でパンっと両手を合わせた。
「ん?ああ,ゲオルグか。ごめん,うとうとしてたよ」
「お前大丈夫か?前にも増して疲れた顔してるぞ」
ユーノは目の下に盛大なクマのある顔で俺を見ると,盛大なため息をついた。
「クロノが,またどっさり資料を請求してきてさ。3日ほど家に帰ってない」
「そっか。ゴメンな,そんなに疲れてるときに」
「ううん。呼び出したのは僕だし構わないよ。それに悪いのはクロノだからね」
ユーノはそう言うと,右手で眉間を揉んだ。
「で,連絡をくれた件だけど・・・」
俺がそう言うと,ユーノは右手で部屋のドアを指さした。
「ちょっと外で話そうよ」
俺たちは,本局の居住区画にある公園のベンチに座っていた。
俺が缶コーヒーを買ってきて渡すと,ユーノは一口飲んで話し始めた。
「実はね,見てもらいたいのってこれなんだよ」
ユーノはそう言って,俺に一枚の紙をよこした。
そこには,
業務記録 新暦67年6月23日
本日,ポイントC23に襲撃あり。
襲撃者は全員撃退し,特に問題なし。
襲撃者は,首都防衛隊の1部隊。
研究データおよび被検体は”無限の欲望”によりポイントD18に移設。
情報工作を実施し,研究に関する情報漏洩なし。
今後,情報管理の見直しを実施予定。
と書かれていた。
「ユーノ。お前にはこの内容の意味するところがわかるのか?」
俺が尋ねると,ユーノは首を振った。
「ううん,全然。ただ,コイツの出処がね・・・」
ユーノはそこで一旦言葉を切り,周囲の様子を伺っているようだった。
周囲に人影がないことを確認すると,また話し始めた。
「実は,コイツの出処は,管理局中央の最高評議会事務室の業務記録なんだよ」
「なんだって!?」
俺が思わず大声を出すと,ユーノが俺の口を手でふさいだ。
「だめだよ!大声出しちゃ」
「わりぃ。でも,こ
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