第二章
[8]前話
愛乃は二人でマンションのバスルームに一緒に入ってだった。
そこのワイン風呂に一緒に浸かった。そうして向かい合って湯舟の中にいる彼に笑ってこんなことを言った。
「ワインの匂いがね」
「いいね」
「そうよね、何か贅沢な感じがするわ」
「安いワイン使ったけれど」
「それでもね、それにお肌にもね」
「ああ、ワイン風呂っていいんだね」
「日本酒を入れたお風呂もいいそうだし」
それにというのだ。
「ワイン風呂もね」
「いいんだね」
「だからね」
それでというのだ。
「今日はこうして入ってまたね」
「入るんだね」
「そうしましょう、これはいいわ」
雄一郎に笑って話した、雄一郎も笑って返した。
だが一緒にバスルームにいてだった。
身体も髪の毛も洗って風呂場から出た時にだ。
唯一郎はリビングでこんなことを言った。
「酔ったね」
「ええ、お酒にね」
愛乃もそれはと応えた。
「これは」
「ワインのせいだね、絶対に」
「そういえばね」
愛乃は真っ赤に湯上りだからではなくワインのせいでそうなっている顔で雄一郎に話した。勿論彼も顔は赤くなっている。
「お酒ってすぐにお湯に入れてもね」
「アルコールがお湯の熱でとんでないから」
「それでよ、そこに入ったら」
「酔うね」
「そうなるわ、だからスーパー銭湯のワイン風呂は」
自分が入ったそれはというと。
「ちゃんとね、アルコールを飛ばして」
「それからお客さんが入る様になってるね」
「そうだったわ、いや迂闊だったわ」
「じゃあ今度入る時は」
「時間を置いてね」
「アルコールが抜けてからだね」
「入りましょう」
こう話した、そして二人で既に酔っているがまだワインはあるのでそれをつまみのチーズと共に楽しんだ。
それからも二人でワイン風呂に入ったがアルコールは飛ばしてから入る様にした、そのうえで酔わずに純粋にワイン風呂を楽しんだ。
ワイン風呂に入って 完
2022・12・20
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