94 遭遇(はちあわせ)
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笹山は藤木に一緒にいた女子は誰なのか聞いてみようと考えた。そして、もしかしたら今日もスケート場にいるのかと思い、スケート場の方角へ向かった。
食後、藤木は帰る事にした。藤木にとって初めて通った道だと思って迷うかもしれないという事で堀が途中まで送る事になった。
「堀さん、今日は本当にありがとう」
「いいのよ、私も藤木君と色々楽しめたし。練習続きで疲れてるみたいだったからこう休憩みたいな事させてあげようかなとも思ってね」
「でも、御飯までご馳走になるなんてすごいサービスだったよ」
「え?そ、そうかな・・・?」
堀は照れた。その時、だった。二人の時間をそこで終わらせるように、ある声が藤木を呼んだ。
「藤木君!」
藤木と堀は声のした方向を向いた。
「さ、笹山さん!?」
笹山が立っていた。
「藤木君、私に嫌われたからって他の女の子と仲良くして!その子は誰なの!?」
「う、その・・・」
藤木は戸惑った。
「藤木君、その子は・・・?」
堀が聞いた。
「僕の学校のクラスメイトだよ・・・」
藤木はまず堀の質問に答えた。笹山ははあはあと息を切らしながら近づいてくる。恐らく走ってきたのだろう。
「藤木君、ねえ!」
「た、ただスケート場で知り合っただけだよ!」
「それで、そんなに仲良くなったの!?」
「う・・・、でも、そんな事君に関係あるのかい!?君は僕を振ったじゃないか!」
「そ、それはそうだけど・・・!」
「じゃあ、別にどうでもいいじゃないか!僕も君を忘れようと努力してるのに!」
「え・・・!?」
その時、堀が二人の間に割ってはいる。
「ちょっと、二人とも落ち着いてよ!」
「何よ、貴方は分かってるの!?この人は不幸の手紙を出したのよ!それに言いたい事も怖くて言えないから藤木君は皆から卑怯者って呼ばれているのよ!!」
笹山は怒りの矛先を堀に向けた。
「知ってるわよ。藤木君、私に話してくれたわ」
「じゃあ、どうして藤木君と平気で仲良くしてるの!?」
「それは、藤木君がその事で皆に責められて可哀想だったからよ!」
「可哀想なわけないじゃない!こんな不幸の手紙を送る人なんか!!」
「じゃあ、藤木君は面白がって不幸の手紙を出したって言いたいの!?」
堀は藤木を悪く言う笹山に我慢ができず、怒鳴り返した。
「・・・え?」
「藤木君は自分の所に手紙が来て怖くなったから慌てて出しちゃったのよ!確かにそれを誰にも相談しなかった藤木君も悪いけど、藤木君はその事を今は後悔しているわよ。いつまでその事で藤木君を責めるつもりなの!?」
「それはその・・・、でも、藤木君は私が好きだったのよ!」
「でも嫌ったんでしょ!?なのにどうしてそこまで藤木君を妬むの!?嫌ったならほっとけばいいじゃない!!」
「う・・
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