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年上趣味でも
第三章

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「それならいいよ、ただ風俗は」
「そうしたこともあるか」
「お店によってね」
 全ての店ではないがというのだ。
「年齢をサバ読みしていて」
「写真もか」
「昔のものだったりして」
「今は違うとかか」
「あるものだね」
「そうは上手くいかないか」
「女優クラスとあっても」 
 サイトの紹介にだ。
「けれどね」
「実は違うか」
「年齢も入店当時の年齢とかなら」
「嘘は言ってないか?」
「あと写真も」
 そちらもというのだ。
「昔のままでもね」
「嘘じゃないか」
「まあそれでも僕は年上の人で」
「お袋さんより年下ならか」
「いいからね」
 それでというのだ。
「これからもだよ」
「そうした人と付き合っていくか」
「年上の」
「そうした人とか」
「そうしていくよ」 
 こう言って実際にだった。
 彼は暫くして二歳上の職場の先輩と付き合いはじめた、そして結婚へと至ったが。
「いやあ、完全にお姉さんでね」
「あの人はそうか」
「家庭的って聞いてるけれどな」
「そんな人か」
「そうでね」
 実際にというのだ。
「僕も嬉しいよ、実は上は兄貴二人で下は妹で」
「ああ、そうした家庭環境でか」
「お姉さんいなくてか」
「それでか」
「お姉さんに憧れていてね」
 それでとだ、彼は同期の面々に結婚してから暫く後で話した。
「年上の人が好きになったけれど」
「奥さんそうした人でか」
「まさに理想の人か」
「お前にとって」
「そうなんだ、だからね」 
 それでというのだ。
「これからもね」
「奥さんと幸せに暮らすか」
「お姉さんと弟さんみたいに」
「そうしていくか」
「あちらもお兄さんばかりの末っ子で」
 妻の話もした。
「弟に憧れていたらしいし」
「年下趣味か」
「年上趣味と年下趣味か」
「じゃあ丁度いいな」
「世の中そんな組み合わせもあるんだな」
「上手くできてるな」
 周りはここでこう話した、そしてだった。
 彼ののろけ話を聞いていった、彼が何故年上趣味なのかもわかったし彼の妻のこともわかって納得した。そうしてだった。
 火野は妻と幸せに過ごしていった、姉と弟な彼等はとても誰から見ても幸せそうだった。それは子供が出来てもであった。


年上趣味でも   完


                  2022・12・19
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