第二章
[8]前話
早見は実際に昼食まで今度自社が出すゲームのリプレイをして発見したバグをレポートに書いて提出してだった。
自分達の会社がファミリーコンピューター略してファミコン時代に出したゲームもリプレイした、その中には。
「PC9801とかFM77とか」
「MSXとかだね」
「僕知らないですが」
「ウィンドウズ出る前のパソコンだよ」
早見は驚く秋葉に話した。
「その頃のゲームもまとめてね」
「今度出すので」
「今から僕がリプレイしてね」
「確認されますか」
「全ゲームね」
「そうですか、何か部長って最近」
秋葉はファミコンを出しつつ早見に話した。
「げーム漬けですね」
「昔、子供の頃は憧れてね」
「ゲーム漬けの生活にですか」
「仕事でゲーム出来るなら最高だと思っていたよ」
「それで、ですか」
「ゲーム会社に入ったけれど」
早見は自分もファミコンのセットをしつつ話した。
「いざ仕事でどれだけやっても」
「お仕事ならですか」
「どうもね遊んでやるから楽しくて」
それでというのだ。
「仕事でやるとね」
「楽しくないですか」
「遊びでやるかそうなるのであって」
「お仕事ならですか」
「うん、攻略本の協力もいつもしてるけれど」
ゲーム会社の人間としてだ。
「それもね」
「お仕事だからですか」
「遊んでる時とは違うよ、じゃあ昔のパソコンのゲームも」
「されますか」
「そうするよ、今度一枚にまとめて出すからね」
こうした話をしてだった。
早見は自分が子供の頃目を輝かせて遊んだファミコンやパソコンのゲームをプレイした、だがその時のわくわくとした心弾むものはなく。
仕事として行った、そして家に帰る時に秋葉に言った。
「もう今日はお風呂に入ってね」
「寝ますか」
「晩飯食ってね」
「そうですか」
「随分働いたからね」
だからだというのだ。
「また明日仕事だけれど」
「ゲームのリプレイですね」
「明日も大変だしね」
「今日はですか」
「じっくり休むよ」
こう言って家に帰った、その顔は仕事が終わったサラリーマンの顔であった。間違ってもゲームを楽しんだ子供の顔ではなかった。
仕事でゲームをしても 完
2022・12・19
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