第10話:若者は元気でいいですね
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ある。十分反省するように」
「「はい・・・」」
「あと,最後の場面だが,後先考えずに突っ走る癖があるなら,
早めに直すことだな。この先命を賭けなきゃならない場面に遭遇することも
あるかもしれないが,今回の状況が重症を負う可能性もある行動に
走らなければならないほど切迫した状況だったかはよく考えることだ。
まぁ,どうしても合格したいという心情は理解するが,取り返しがつかない
ことでもないんだ。怪我は最悪の場合,2度と歩けなくなることだって
考えられるんだからな。この点も十分反省しろ」
「「・・・」」
「最後に付け加えるなら,ティアナの負傷にしろ,最後の暴走にしろ,
そうなる状況を作り出してしまった原因は,自分たちの戦術判断が
甘いことにある。このことを理解して,技術だけでなく戦術理論についても
十分勉強し,現場での戦術判断力の向上に努めることだ」
「「・・・」」
「ただ,2人とも才能はあるし,まだまだ伸びしろはありそうだからな。
追試での合格を期待してるよ」
「「はい,ありがとうございます!」」
俺が講評を終えると,なのはたちが驚いた表情をしていた。
「ゲオルグくんもこんな立派なこと言えるんだね。私,びっくりしたの」
「私も,ゲオルグがこんなにしっかり話すところなんて初めて見たかも」
「さっすが我が愛しの副部隊長ゲオルグくんやね,なぁリイン」
「はいです!」
なんだか一部非常に納得いかない評価もあったり,誤解を招く発言もあったが,
俺の講評は概ね好評だったようだ。
「まぁ2人は追試で頭がいっぱいやろうし,さっきの件の返事は
追試後でかまへんよ。ほんなら,みんなお疲れさまでした」
はやてのその言葉で本日は解散となった。
その夜,俺が寝ようとしていると,レーベンが話しかけてきた。
《マスター,例の身上調査の結果は,はやてさんにお話しなくていいのですか》
「あのなぁ,人にはそれぞれ他人に知られたくないことだってあるんだよ」
《しかし,危険要素とまでは言いませんが,厄介な問題であるのは
間違いありませんよね》
「確かに厄介だよ。でもお前の言うように危険要素とまでは言えない以上,
報告する義務はないよ」
《・・・マスターが一人で抱え込むんですか?》
「それで丸く収まるならそうするさ」
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