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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第6話:持つべきものは頼れる友人
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,ゲオルグは情報部なんだから,書庫内の調査なら
 自分でやればいいじゃない」

ユーノの言うことももっともだった。
情報部の士官には制限付きとはいえ無限書庫の調査権限が与えられている。
これまでは,そうしてきたんだけど・・・

「いや,実は今度異動になってさ。」

俺がそう言うとユーノは何かを思い出したようだった。

「そういえばなのはから,今度みんなと一緒に働くことになったって
 メールが来てたよ」

「そうなんだ」

(はやてから俺も機動6課に参加するってきいてるのかなあ?)

「でな,情報部での引き継ぎを新部隊の立ち上げ準備と平行して
 やらなきゃいけなくてさ。俺自身ほとんど首が回らないんだよ」
 
「で,僕ってわけ?」

ユーノは妙に疲れた表情で吐き捨てるように言った。

「まあ,そうだな。特に急ぐ訳じゃないから合間を見て少しずつで構わないよ」

(まぁ,この疲れた顔を見たら無理は言えないよなぁ)

「ふーん。ならいいかな。で?何について調べればいいの?」

「”無限の欲望”っていうキーワードしかないんだけど・・・」

俺がそう言うと,ユーノはため息をつきながら呆れた目で俺を見た。

「あのさぁ。それじゃあ検索範囲が広すぎるでしょ。
 もうちょっと絞り込めないわけ?」
 
「実は前に見聞きした覚えがあってさ,多分事件関係の調査報告書関係だと
 思うんだわ。だから,そっち方面の資料をさらってくれないかな」
 
「でもさ,その類のものだったら情報部なり捜査部のデータベースの方が
 早いんじゃない?」
 
「そっちは俺があたってみるからさ。な?頼むよ」

「はいはい。まぁゲオルグの頼みだし,ぼちぼちやっとくよ」

「ありがとう,ユーノ。恩にきるよ」

(やっぱり持つべきものは頼れる友人だね・・・)

「・・・その代わり。今日一日はクロノからの資料請求の検索を
 手伝ってもらうよ。さ,行くよ!ゲオルグ」
 
ユーノはそう言うと,急に明るい顔になって俺の手を引き部屋を出ようとした。

「いや・・・俺も帰って仕事を・・・」

「・・・ふふふ。今日はねー,特に請求資料がたーくさんあるから
 ゲオルグも楽しみにしてるといいよ。ふふふ・・・」
 
(クロノさん。もう少しだけ,ユーノの健康に気を使ってやって下さい・・・)

結局その日は明け方までユーノを手伝うことになった。

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