第4話:裏の事情を教えてもらいました
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聖王協会の俺たち4人がいる一室は,ピリピリとした空気で満ちていた。
(空気に形があったら肌に刺さりそうな感じだな)
カリムさんが言葉を発してからしばらく,全員が押し黙っていた。
やがて,クロノさんが空気に耐えかねたように言った。
「ゲオルグ。君ははやてからどれくらいのことを聞いているんだ?」
「大したことは。部隊を新設することと,目的がロストロギア対策であること。
あとは,目的にしては強大な戦力を集めつつあること。それくらいです。」
「そうか。表向きのところは概ね聞いているわけだ。間違いないか?はやて」
クロノさんがそう言うと,はやては頷いた。
それを確認するとクロノさんはさらに口を開いた。
「機動6課,というのが新設しようとしている部隊の名称なんだが,
その後見人は僕と母さん,あとは騎士カリムの3名だ。
だが実際には秘密裏にかの3提督も力を貸してくださっている。」
「かの3提督って・・・,あの伝説の3提督ですか!?」
「そうだ。そして機動6課設立の本当の目的なんだが・・・」
クロノさんがそこまで言うとカリムさんが手を上げて話を遮った。
「ここからは私からお話したほうがよろしいでしょうね」
カリムさんはそう言うと紅茶を一口飲み,続きを話し始めた。
「機動6課設立の本当の目的には,私の希少技能が深く関係しています。
私の希少技能はこの先起こることを詩文形式で予言する能力なんです。」
「予言・・・ですか。」
「ええ。もっとも古代ベルカ語の詩文形式ですから解釈の仕方も様々ですし,
精度としてはよく当たる占い程度のものですけれど。」
カリムさんはここで言葉を切った。
「そしてここ数年の予言の内容が機動6課設立の本当の目的に密接に
関わっとるっちゅうわけや」
「なるほど。で,その内容は?」
俺がそう言うとカリムさんが1枚の紙をテーブルの上に置いた。
その紙には,
古い結晶と無限の欲望が集い交わる地,死せる王の下,聖地よりかの翼が蘇る
死者達が踊り,なかつ大地の法の塔はむなしく焼け落ち,
それを先駆けに数多の海を守る法の船もくだけ落ちる
と書かれていた。
「これは・・・」
「意味のわからない部分も多いが,”なかつ大地の法の塔”が地上本部,
”法の船”が次元航行艦であると解釈すると・・・」
「管理局による次元世界管理システムの崩壊・・・ですか?」
俺が絞り出すように言うと,クロノさんたちは大きく頷いた。
「つまり,この予言が当たるのを防ぐために機動6課を設立する
というわけですか」
「そうや。納得できたか?」
「ああ,これはあれだけの戦力を集めたくもな
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