親への感謝の気持ち…後日談
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<グランバニア>
メイドさんSIDE
あの感動的なバレンタインデーから3日…
お嬢様達からプレゼントされたクッキーも概ね食され、残るはリュリュお嬢様から戴いた一袋のみ…
リュカ様は城の中央広場で、その一袋からクッキーを一つ取り出し口にすることなく眺めております…
すると貴族に連なる若い兵士達が近付き、リュカ様に話しかけるではありませんか!
「これはリュカ陛下…ご機嫌麗しく…何をなさっておいでですか?」
あの馬鹿共、分かってて近付いたのですわ!
「うん…バレンタインデーにね…娘達にクッキーを貰ったんだけど…」
「何と、流石は陛下のご息女様方です。お優しい限りですね。そんなお優しくお美しい姫様達の、手作りクッキーを独り占め出来るとは…羨ましいですなぁ!」
「うん。ありがとう…そうなんだ、僕の娘達は良い子ばかりでね…でも、料理の腕前は…」
「何を仰います!陛下の為に作られたクッキー…心がこもってるではありませんか!」
「それは分かってるよぉ…だから困ってるんでしょ!折角娘が作ってくれたクッキー…残すのは忍びない…でもこのままじゃ腐っちゃうし…折角作ってくれた物を捨てるなんて…ねぇ?」
「で、では…私めが代わりに食しますしょうか?」
「え!?でも不味いよ!」
「何を言われます!姫様がお作りになられた物…不味いわけがございません!どうか我々にも姫様の愛をお恵みください!」
「………其処まで言うのなら…はい」
リュカ様は貴族の馬鹿共に、リュリュお嬢様がお作りになったクッキーを渡してしまった!
酷い…リュリュお嬢様はリュカ様の為に、お作りになったのに…
私が少し離れた物陰から、その光景を覗き軽蔑していると、次々に貴族の馬鹿共が倒れ、泡をふいてるではありませんか!
「ふん、馬鹿者共が!僕の娘の手料理一つ、顔色を変えずに食べられなくて、僕の娘を娶れると思うなよ!」
そう言うとリュカ様は、貴族達が手にした袋を取り上げ、中にまだ残っているクッキーを取り出し食べる。
「…本当に不味いなぁ…どうやればこうなるの?」
そう呟き、執務室へと戻って行った…
流石リュカ様です!
こうやって貴族共をいぢめるのですね…
やっぱり素敵ですわ!
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