魔法使いでありんす
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の青年。
春の季節に合わせた、赤い半袖の上着を着た彼。その表情は柔らかい笑みを浮かべているものの、その目は強く、鋭くブラウニーを睨んでいた。
「な、何者でありんす? ただの人間が、どうしてグールたちを……?」
「魔法使い、かな?」
「ま、魔法使いでありんす? 気取ってて、む、ムカつくでありんす……グール共!」
ブラウニーの号令に、グールたちは一斉に青年、魔法使いへ襲い掛かる。
魔法使いは銀の銃、その銃身を立たせた。そして、収められていた刃を引き出し、その銃口を覆わせる。
銃と剣。二つを兼ね備えた機能を持つ銀の武器、その名をウィザーソードガンと呼ぶ。
魔法使いはそのまま、ウィザーソードガンを振るい、グールたちを斬り倒していく。
さらに魔法使いは、腰のホルスターから何かを取り出した。
指輪だとブラウニーが認識できたのは、魔法使いがそれを右手中指に付けたからだ。
『ビッグ プリーズ』
魔法使いはすさかず、それをベルトのバックルに当てる。
ウィザーソードガンと同様、手のひらの形をしたそれ。指輪を読み込むと、赤い魔法陣が出現し、魔法使いは即座にそこに手を突っ込む。
すると、魔法陣を通じた手が、通常の何倍もの大きさに巨大化。そのまま、群れ成すグールたちを圧し潰す。
「ハルトさん!」
その時、ファントムたちが襲う場に似合わぬ可愛らしい声が響いてきた。
ウィザーソードガンで切り裂いていく魔法使いは、その声に一度動きを止めた。
「待ってよハルトさん……! まさか、私より速いなんて思わなかった……」
「ごめんごめん。先に戦ってたよ、可奈美かなみちゃん」
魔法使い。どうやらその名前は、ハルトというようだ。
一方の今駆けつけてきた少女。手に持った桃色の棒で、襲い来るグールたちを薙ぎ払う彼女は、可奈美というらしい。
蹴りでグールを打ち倒したハルトが、可奈美と並ぶ。右手の指輪を外し、新たな指輪を___ベルト、ソードガンと同じ、手の形をした指輪をバックルに当てた。
『ドライバーオン プリーズ』
すると、その指輪を起点とし、左右に銀でできたベルトが装着される。ハルトはそのまま、ベルトの左右にあるつまみを操作する。
すると。
『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』
ベルト内部の機構が操作され、中心にある手の形をしたバックルがその向きを変える。それに連動して、ベルト___ウィザードライバーは、リズムに合わせた詠唱を始めた。
同時に、ハルトに並ぶ少女、
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