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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
想定外
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「ふぅ……」

背中越しにランナーを見てからセットポジションへと入る。クイックからの投球だったがコースは抜群。しかしわずかに浮いてしまったそのボールを少女は待ち構えていた。

(外いっぱい!!でもこれなら届く!!)

腕を目一杯伸ばしアウトローギリギリのフォークをフルスイング。すくい上げる形になった打球は右中間へと伸びていく。

「センター!!ボール三つ!!」

届くかどうかといった打球に一塁ランナーのソフィアは二塁ベースを回ったところで止まっている状況。

(捕れそうには見えないけど……これ以上出ると戻れないし……)

スタンドインもギリギリだが捕球できるかもギリギリ。大きめのハーフウェイでも戻れると判断した彼女はできるだけ次の塁を近くすることを優先した。

「私が行く!!」
「任せた!!」

打球を追いかけていた伊織がそのボールが失速していることに気が付いた。フェンスにも届かないと確信した彼女は一か八かダイビングに出る。

彼女の判断は正しかった。打球はフェンス手前に向かって落ちていく。しかし、彼女のグローブはその白球にわずかに届かなかった。

「落ちた!!」
「ソフィア!!」
「はいは〜い」

既に一、二塁間の真ん中へやってきているリュシーと落ちたのを確認して走り出すソフィア。ソフィアの生還は確定的かと思われた。しかし思わぬ幸運が明宝学園へと降りる。

「莉子!!」

ワンバウンドでフェンスから跳ね返った打球。それは伊織の真上を飛び越えカバーに入っていた栞里の正面へと落ちる。それを拾い上げるとすぐ近くに来ていた紗枝の中継を飛ばし莉子へと返球。キャッチャーも経験していた彼女の肩は強いこともありノーバウンドで莉愛へと投じられる。

「ストップストップ!!」
「えぇ!?」

ホーム突入するつもりだったソフィアはコーチャーの指示に驚きながらも停止する。不服そうな彼女だったが直後にミットに収まるボールを見て驚愕しながらコーチャーと目を合わせる。

「伊織?大丈夫?」
「なんか疲れた」
「はいはい、頑張った頑張った」

なかなか起き上がらなかった伊織だったが怪我などはない様子。栞里が手を貸し立ち上がった伊織はポジションへと戻っていく。

















莉愛side

元気そうな伊織さんを見て一安心。ただ、状況はさらに悪くなっている。ノーアウトでランナーが二、三塁。そして打席には前の打席でランニングホームランを放った蜂谷さん。

「内野前進!!外野も前で!!」

前の打席はバント対策で野手が前に来たところを狙われた。でもこの場面で前進守備を敷かないわけにはいかない。もう1点でも取られたら試合が決まっちゃうかも
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